スーパー内に次々オープンしている「食堂」が引き出す消費の新原動力―中国

人民網日本語版    2024年10月11日(金) 8時30分

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中国のスーパー内に「食堂」が次々オープンしている。

北京市海淀区中関村のあるスーパー内に最近、「食堂」がオープンした。ランチタイムになると、トレーを手におかずを選ぶ多くの客でにぎわっている。同食堂の収容人数は最多で約100人となっている。人民日報が伝えた。

客の楊娜(ヤン・ナー)さんはトレーの上に6~7種類のおかずを乗せ、「とてもリーズナブルな価格で、いろんな種類のおかずを食べることができ、栄養バランス的にも素晴らしいと思う。ビュッフェスタイルなので、おかずの選択肢も多く、単調な弁当を食べるよりヘルシーでおいしい」とした。

食堂はこのスーパーが打ち出した新たな業態で、現在昼食と夕食を提供している。ビュッフェスタイルで、麺料理やチャーハンなどの主食が13元(約260円)、おかずが19.9元(約400円)で、バラエティーに富んだ野菜料理、肉・魚料理、デザート、フルーツなどの中から好きなものを選んで食べることができる。

食事の時間帯になると、高齢者や子供、サラリーマン、学生などがたくさん食べに来ている。同スーパーの鍾暁英(ジョン・シャオイン)店長は、「当店は中関村のオフィスビルが密集している場所にあるほか、周りには居住区や大学などもある。スーパーの中に食堂を開設して、客に便利で手っ取り早く食事ができる、新たな選択肢を提供しており、客からの評判も上々だ。特に、夏休み期間中は子供を連れて来る保護者がたくさんいた」と説明する。

食堂の厨房を取材すると、自動調理器や食洗機などが完備されており、カット済みの食材や調味料を調理器の中に入れて、しばらく待てば、おかずが出来上がる。自動化設備が導入されているため、効率が良く、その場で調理するためヘルシーでおいしいというのがこの食堂の強みとなっている。

スーパーの中に食堂を開設するというのは、スーパーの多業態展開という新たな試みとなっており、実店舗のモデル転換と高度化という流れに乗る形となっている。鍾店長は「スーパーを経営しているので、野菜や肉類のサプライチェーンという面では強みがある。サプライヤーを厳選し、毎日、新鮮なカット済み野菜を使っている。前日のスーパーの売れ残りを使うことは絶対にしない。安心できる食材を提供することで、売れ行きも伸びている」と話す。

同スーパーは6月に食堂を試験的に運営し始め、現時点で1日当たり延べ600~1000人が利用している。最近、デリバリーも試験的に始め、1日当たり平均約120件のオーダーが入っているという。

鍾店長は「食事をした後、ついでに日用品を購入する客もいる。当店の調査では、客の約67%がスーパーと食堂の両方を利用している。食堂がスーパーの消費の新原動力を引き出す形となっている」と喜ぶ。

専門家は、多くのスーパーが消費シーンの最適化に取り組んでおり、多業態展開を試みていると分析している。リーズナブルな食堂を経営するというのも、モデル転換と高度化を試みるスーパーの取り組みの一つだ。ファストフードは高頻度消費に属し、消費者はスーパーのファストフードを利用することで、その他の商品、特にドリンクや酒類、お菓子といった関連商品の販売も促進される。また、ECプラットフォームがその場で作ったファストフードを提供することは難しいため、商業施設・スーパーはその分野で差別化を図り、競争を展開することができる。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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