インド南部にある米アップルのスマートフォン「iPhone」向け部品製造工場で先週末、大規模な火災が発生したことについて、中国メディアの鳳凰網科技は2日、ロイター通信の報道を引用し、販売が急増するインド最大の祝祭期に向けた生産に支障が出る見通しで、アップルは中国に助けを求める可能性もあると伝えた。

ロイター通信によると、インド南部タミルナド州ホスールにある同国財閥タタ・グループ傘下の工場で先週末、大規模な火災が発生した。iPhoneのバックパネルなどを供給するインド唯一のサプライヤーで、生産再開の見通しは立っていない。

ロイター通信が香港の調査会社カウンターポイント・リサーチの情報として伝えたところによると、10月末から11月初めの祭りシーズンにiPhone 14と15は150万台の販売が見込まれるが、火災の影響で最大15％の需要を満たせなくなる可能性があるという。

業界筋は、アップルは8週間分の在庫を保持している可能性が高く、直ちに影響は出ないとみられるが、生産中止が長引くようなら、中国に新たな組み立てラインを設置したり、中国でシフトを増やしたりしてインド向けの部品を確保する必要も出てくるとの見方を示しているという。

ロイター通信によると、タタはアップルのインドにおける最新のサプライヤーの一つ。タタを含むインドのサプライヤーが世界全体のiPhone出荷台数に寄与する割合は、昨年は12～14％だったが、今年は20～25％となる見通しだという。（翻訳・編集/柳川）