石破政権での日台関係、楽観視は禁物―香港メディア

Record China    2024年10月4日(金) 7時0分

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2日、香港01は、石破茂政権について、台湾世論が楽観視しすぎているとする記事を掲載した。画像は2024年8月13日、台湾総統府で頼清徳総統との会談。石破茂 X(@shigeruishiba)より。

2024年10月2日、香港メディア・香港01は、石破茂政権発足後の日台関係について、台湾世論があまりに楽観視しすぎているとする記事を掲載した。

記事は、1日に石破首相が誕生したことについて台湾のメディアや世論が「日台関係はより緊密になる」という楽観的な見方を示していると紹介しつつ「これらの推論はあまりにも単純であり、石破氏の現実主義やこれまでの外交姿勢を見落としている」と論じた。

そして、石破氏が外交戦略において安倍晋三元首相よりも現実的であり、理想化することなく実務路線を取るだろうとしたほか、日中国交正常化を実現した田中角栄元首相の「最後の弟子」と呼ばれており、再三中国の重要性を強調し、経済協力を保つ必要性を説いてきたと指摘した。

また、台湾問題では岸田文雄前首相の「今日のウクライナは、明日の東アジアになるかもしれない」、安倍氏の「台湾有事は日本有事」という言葉を引用しているものの、「台湾有事」の際に自衛隊員を派遣することについて石破氏は明確に約束していないとも紹介。石破政権は過去の政権よりも日中関係のバランスを強調し、台湾に偏向することは考えにくいとし、石破氏が防衛庁長官に就任後一度も靖国神社に参拝していないことからも「彼が『軽重』が何たるかを心得ている」ことがうかがえると評した。

さらに、石破氏が提唱する「アジア版NATO」構想についても、外交姿勢を示すという要素が大きく、具体的な行動計画は存在しないと考察。しかも、構想が自民党内部から広い支持を得られておらず、仮に具体的な構想だったとしても「現状で外交政策を大きく動かすことは難しい」との見方を示している。

記事はこのほか、日本と中国の間に短期間で断ち切ることはできないほどの深い経済的つながりが存在することも、石破政権発足後の台湾に対する立場を考える上で重要だと指摘。「台湾の半導体産業は日本に大きな影響を与えるとはいえ、自動車や電子製品をはじめとする多くの産業分野で日本は中国に大きく依存する状態が続いているため、現実的な利益という観点を踏まえれば、石破氏の立場がより台湾に近づくという見方は疑問を呈するに値する」と指摘した。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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