Record ASEAN 2024年8月30日(金) 17時40分
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29日、環球時報は、ベトナムが半導体産業の中心地を目指す一方で、人材不足というボトルネックを抱えていると報じた。写真はハノイ。
2024年8月29日、環球時報は、ベトナムが半導体産業の中心地を目指す一方で、人材不足というボトルネックを抱えていると報じた。
記事は、ベトナム政府がこのほど「半導体チップ、人工知能、クラウドコンピューティング分野における高規格人材の育成強化に関する政令」を出し、これらの分野の人材育成を重点とする専門ユニットの設立を大学や機関に指示する必要性を提起したと紹介した。
そして、同国の半導体産業規模が今年末には61億6000万ドル(約8900億円)を超え、今後世界的に重要な半導体生産拠点の一つになることが期待されていると紹介する一方で、同国情報メディア省の報告書では情報技術・デジタル化産業は年間約15万人のエンジニアが必要であるのに対し、現状では40~50%の人材しか供給できておらず、中でも半導体産業の供給率は需要の20%未満であることが分かったと伝えた。
その上で、ベトナムが半導体産業の人材供給難に直面している主な原因を分析。まず、近隣の競争相手国・地域に比べて待遇面で優位性がないとし、同国のエンジニアの年収が約8000ドル(約120万円)と、日本、台湾、韓国、シンガポールなどの3万〜6万ドル(約430万〜870万円)よりはるかに安い上、マレーシアと比べても半分以下だと指摘。また、国際的な半導体企業がベトナムに設置する生産拠点はローエンドな技術によるもので、ハイエンドな半導体設計・製造プロセスはマレーシアなどの他国・地域に拠点を設ける傾向があるとし、その要因は「低賃金で優秀な人材が集まらない」ことにあると論じた。
記事はさらに、現在同国の5大学で半導体やチップの設計カリキュラムを新設して人材育成に取り組んでいるものの、やはり低賃金が理由でせっかく育てたハイエンド人材も外部に流出するリスクがあると指摘。中国の半導体業界アナリスト、羅国昭(ルオ・グオジャオ)氏が「ベトナムの半導体産業発展は米国による中国への制裁に伴って一部の半導体企業が脱リスクの観点から生産拠点を移していることが原動力になっている」とした上で、ベトナムでは現状で整備された半導体産業や産業チェーン体系が構築されていないため、ベトナムが中国に取って代わるというビジョンはなおも不透明だとの見方を示したことを伝えた。(編集・翻訳/川尻)
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