Record China 2024年8月4日(日) 6時0分
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観察者網は「日本は定年退職年齢を引き上げた後、社会問題は解決したのか」と題した記事を掲載した。
2024年7月30日、観察者網は「日本は定年退職年齢を引き上げた後、社会問題は解決したのか」と題した記事を掲載した。
記事は、日本政府が2006年に定年退職年齢を引き上げ、企業に対し65歳まで雇用することを義務付けたと紹介する一方で、定年退職や年金制度の前提は高齢者が安定した老後を送れることであり、定年退職後に受け取る年金が基本的な生活を支えるのに十分でなければ成り立たないと指摘。日本がまさにこの状況に陥りつつあると伝えた。
そして、日本の年金制度が国民基礎年金と厚生年金に分かれており、一定の年金保険料を支払っていれば60歳以降に誰でも受け取れる基礎年金である国民年金と、基礎年金に上乗せされる企業年金の厚生年金を合わせた月々の年金総額は基本的に20万円程度となり、生活に必要な基本的なお金は確保できると紹介した。
その一方で「問題は日本経済がバブル崩壊後に非正規雇用を増やしたことだ」と指摘。日本社会では非正規雇用の増加により定年退職後に基礎年金しか受け取れない労働者が増加の一途をたどっており、多くの労働者が非常に不安定な老後生活を送ることになるため、生活するために死ぬまで働かなければならないと考える日本人が増えていると伝えた。
その上で、日本政府も不安な老後生活を緩和するための対応策を打ち出しており、最も代表的なものは、企業に対して70歳まで働きたい人を雇用する努力義務を課したことだと紹介。さらに、行政は高齢者の就職を仲介する組織づくりも進めているものの、紹介される仕事の賃金は恐ろしく低いと指摘した。そして「国全体で高齢者を養うことができないという危機は、定年引き上げの大きな要因であると同時に、定年退職制度の緩やかな破綻も意味する」と論じた。
さらに、定年を遅らせることのデメリットはメリット以上に大きく、高齢者の負担を増やすだけでなく、若者が雇用や昇進の機会を奪われることになりかねないとも指摘。かつて大企業に勤めていた人が、コネなどで中小企業の管理職に就き、70歳、あるいはそれ以上まで働き続けることができるようになれば、若者の昇進を阻害することになるとした。
記事は、かつて「一億総中流」と呼ばれた日本社会では今、貧富の格差が徐々に拡大しており、日本政府は年金の財源が枯渇しないかを折に触れて心配している状況だと紹介。「日本政府が直面している苦境とその解決方法は、間違いなく中国にとって参考になる。 そして、対応措置によって生じる社会への影響も、われわれが考え、警戒するに値するものだ」と結んだ。(翻訳・編集/川尻)
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