劇場アニメ「ルックバック」の魅力とは?「今年必見の涙を誘う作品」―台湾コラム

Record China    2024年7月27日(土) 13時0分

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24日、台湾版Yahoo!「Yahoo奇摩」に日本の劇場アニメ「ルックバック」の魅力について紹介するコラムが掲載された。写真はルックバック。

2024年7月24日、台湾版Yahoo!「Yahoo奇摩」に「『ルックバック』レビュー:青春の夢の印を描く、今年必見の涙を誘う作品」と題するコラムが掲載された。

劇場アニメ「ルックバック」は、小学校の学年新聞で4コマ漫画を連載していた4年生の藤野が主人公の物語。ある日、不登校の同級生・京本の4コマ漫画の画力に圧倒された藤野は一生懸命に技術を磨くが、6年生になると自分の限界を感じ、漫画を描くことを諦める。しかし、教師から卒業証書を届けるよう頼まれた藤野が京本の家に行くと、初対面の京本に自分の作品を称賛される。大いに励まされた藤野は再びペンを取り、京本と共に漫画のコンテストに参加。完成させた短編漫画が準入選するが、その後2人は別々の道を進むことになる。

記事はまず、「ある種の映画は、最初の一瞬で涙を誘う。『ルックバック』はまさにそんな劇場アニメで、作品全体の流れや雰囲気が観客の呼吸とシンクロする。物語の序章はとても平凡な日常に見えるが、それが実は私たちの青春や努力の奮闘史をしっかりと受け止めるための大切な予兆なのだと感じる」と述べた。

続けて、「同作のストーリーは漫画家の成長物語でありながら、普遍的な読者の共感を呼び起こす。藤野が京本に出会わなければ、彼女は自分の才能を見出すこともなく、志を立てることもできなかっただろう。京本の優れた技術と背景のサポートがあってこそ、藤野は競争の激しい漫画のコンテストの舞台に立つことができた」とした。

その上で、「私たちもまた京本のような存在だ。誰もが好きな漫画や小説、映画に感動して心を震わせた経験があるだろう。その一瞬の感動が、藤野が『だいたい漫画ってさあ…私、描くのはまったく好きじゃないんだよね。楽しくないし、メンドくさいだけだし、超地味だし。1日中ず~っと絵描いてても全然完成しないんだよ?』と言いながらも漫画を描き続ける原動力となっているのだ。『漫画を描く』を『映画を作る』に置き換えても同じことが言える。創作者と読者、観客は互いに影響し合い、互いの人生の意味を成すのだ」と論じた。

また、「同作は、『チェンソーマン』で知られる漫画家・藤本タツキ氏の同名短編作品を原作としている。映画は原作の143ページの物語を忠実に再現しつつも、映画版のカメラワークやリズム、キャラクターの微妙な表情の変化がより丁寧に描かれており、細部の描写が観客の心を強く揺さぶる」と評した。

さらに、「観客が藤野と京本の青春に共感できるのは、アニメの美学に観客を引き込む強い力があるためだ。現代の観客は多くの映画を見てきており、単なる夢物語で感動することはない。しかし同作は、共通の青春の記憶や純粋な初心を思い出させることで、観客の心を捉える」とも言及した。

そして、「同作には、多くの名作映画の要素が散りばめられている。例えば、藤野と京本の出会い、雨の中を歩くシーンは『雨に唄えば』や『ショーシャンクの空に』を連想させ、結末における主人公の感動的な交流は『バタフライ・エフェクト』や『ラ・ラ・ランド』、そして『インターステラー』のような時空を超えた共感と愛をほうふつとさせる。熱いセリフも絶妙なタイミングで登場し、感動を呼び起こす。物語は新鮮さを欠いているかもしれないが、観客は全く新しいものを求めているわけではない。むしろ、魂から湧き出る真心のこもった物語を求めているのだ」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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