農業科学者、国産ドリアンの炭素排出削減をどのように測定するか―中国

人民網日本語版    2024年7月23日(火) 22時30分

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カーボンフットプリントはここ数年、環境保護分野の「ホットワード」になっている。

厳しい現場検査とカーボンフットプリント計算を経て、ナンバー「001」「002」の中国ドリアンカーボンフットプリント表示認証証明書第1弾が20日、海南省三亜市で開催された中国・ASEANドリアン産業シンポジウムの現場で海南省のドリアン栽培企業2社に発行された。これは消費者がこのラベルを目にすれば、そのドリアンが棚に並べられる前にどれほど多くの温室効果ガスを排出したかが分かることを意味する。新華社が伝えた。

カーボンフットプリントはここ数年、環境保護分野の「ホットワード」になっている。ドリアンのカーボンフットプリントは、ドリアンの全成長プロセスにおける温室効果ガス排出量を測定するための指標で、通常は二酸化炭素(CO2)換算で表示される。これはつまり私たちがよく知る「炭素排出量」のことだ。ドリアンの成長期間中、耕作、かんがい、肥料・農薬の使用、包装、輸送などの段階で炭素排出が生じる。また、土壌の有機質の向上やドリアンの木の光合成によりカーボンシンクが増え、一部の炭素排出を相殺することもある。

それでは、500gの国産ドリアンはどれほど多くの炭素を排出するのだろうか。

南京農業大学資源・環境科学院は果樹園炭素固定・温室効果ガス排出モデルおよび「ライフサイクル評価・果物カーボンフットプリント」方法を独自に研究開発した。中国のドリアン主産地である海南省の農場でサンプルを採取し、農地の管理状況を調査した結果、最終的に国産ドリアンのカーボンフットプリントを測定し、中国の関係専門認証企業からの認証を得た。

国産ドリアンのカーボンフットプリント計算結果によると、500 gの生産で約1kg(CO2換算)の温室効果ガスが排出される。

南京農業大学資源・環境科学院の程琨(チョン・クン)准教授は「その他の果物と比べると、ドリアンのカーボンフットプリントは相対的に高い。さらに、大規模栽培に取り組んでいる国産ドリアンはここ2年でようやく実をつけ始めたばかりで、果樹が若く生産量が少ないため、果実1個当たりの炭素排出量を引き上げる形になっている」と述べた。

三亜市などのドリアン栽培エリアは現在、南京農業大学のバイオ炭土壌改良技術の採用を始め、グリーン・低炭素栽培モデル拠点を建設している。栽培企業はバイオ炭を土壌に用い有機質の量を増やし、構造を改良し、水分と肥料の保持力を高めている。土壌の質と作物の収量を高めることができるだけでなく、土壌のカーボンシンクも大幅に高めることができる。このバイオ炭技術の応用により、将来的に炭素排出量を30%以上削減できる見込みだ。

カーボンフットプリント表示認証証明書を取得した海南省鴻翔農業集団優旗投資の責任者は、「農産物のカーボンフットプリント認証により、消費者が自身の購入・選択行為が気候変動に与える実際的な影響を直観的に知り、消費行動のグリーントランスフォーメーションを促進できるだけでなく、より多くの農家がグリーンで低炭素な技術を研究開発し採用するよう奨励できる」と述べた。

ドリアンの炭素排出量をいかにして削減するかについて、程准教授は「あと数年すれば、海南省のドリアンの1ムー(約6.7アール)当たり収量は毎年倍増のペースで増えていくことが期待される。これにグリーン・低炭素技術のイノベーションと普及を考え合わせると、カーボンフットプリントは著しく下がっていくだろう。また、カーボンフットプリントラベル認証によって、企業が耕作地の質向上や廃棄物の資源化利用などの新技術を持続的に試みるようになり、ドリアンの炭素排出の『スリム化』が実現するだろう」と確信を込めて語った。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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