台湾メディアが背景紹介、わが漁民が大陸や日本の取り締まりを受けるのはなぜ?

Record China    2024年7月8日(月) 6時20分

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このところ、中華民国(台湾)籍の漁船が、大陸側や日本当局の取り締まりの対象になる事例が相次いでいる。写真は台湾船籍の漁船。

このところ、中華民国(台湾)船籍の漁船が大陸側や日本当局の取り締まりの対象になる事例が相次いでいる。台湾メディアの聯合新聞網は5日付で、その背景を紹介する記事を発表した。

澎湖船籍漁船の大進満88号は2日夜、休漁期間中に越境して不法に底引き網を使用したとして、大陸側当局の公船により福建泉州囲頭港に強制連行され抑留された。5日早朝には基隆八斗子船籍の福洋266号が彭佳嶼の北東288カイリ(奄美大島北西約160カイリ)で日本の水産庁公船に拿捕された。漁業専門家は、「これは主に、台湾周辺の海洋資源が年々枯渇しているためだ」と述べた。

沿岸国の海岸から200カイリまでをその国の排他的経済水域(EEZ)とする国際連合海洋法条約が発効したのは1994年だった。各国の漁船にとっては、自由に操業できる海域が大幅に減少したことになる。金門県政府漁牧課長の樊徳正氏は、近年は漁業資源が減少しているため季節にともなって移動する漁業資源を追って、かつての漁場で操業する漁船が出ていることが、他国の取り締まりの対象となる原因になっていると表明した。

台湾人漁民の李さんは、台湾周辺海域の漁業資源が枯渇しているのは事実で、操業海域は遠くにまで拡大する傾向があると説明した。より多くの利益を得るために、取り締まりの危険を冒して境界線を越えることがしばしば発生しているという。また、台湾の国際的地位は次第に低下しているために、越境した漁民が捕らえられても、台湾政府は相手国と争おうとはしないという。漁民からは「わが国が強大で政府が強気ならば、わが方の漁民を勝手に捕らえる者はいないはず」と憤慨する声も出ているという。

金門県県議会の董森堡議員は、「海洋生態の永続性と漁業資源の乱獲は全世界が重視する課題であり、漁業制限や漁場を保護するために、世界各国はその関連基準を定めたり、漁獲量の制限を行い、さらには監視機関を動員して取り締まりや保護措置を行ったりしている」と指摘した上で、「台湾は海に囲まれているで、周辺海域に面する国々と適切な政策を制定し、禁漁期や漁界、漁法を明確に定め、書面化、制度化された管理を通じて海洋環境を扱わねばならない。口頭での論争や感情的な争いに陥っても、漁民の権益を守るのには役立たない」と述べた。

董議員はさらに、「台湾の漁民が大陸に近い海域で操業するのは、大陸側の禁漁期間であり競合する漁船が少ないことも一つの原因」と紹介した。夏はヤリイカの最盛期であり、漁民はヤリイカを追って大陸側の管轄水域に入ったことに気付かずに、結果として大陸側に拿捕された可能性があるという。董議員は、台湾人漁民が大陸側や日本の取り締まりの対象になったことを論じるには、台湾人漁民に規則違反があったかどうかをまず考えねばならないと述べた。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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