日本作品が好調! 中国の輸入映画はもはや「ハリウッド一強」ではない―中国メディア

Record China    2024年4月15日(月) 17時0分

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12日、中国メディアの環球時報に中国上映の日本映画がハリウッド映画を越える勢いで好調との特約記者による記事が掲載された。

2024年4月12日、中国メディアの環球時報に中国上映の日本映画がハリウッド映画を越える勢いで好調との特約記者による記事が掲載された。

記事はまず、「中国国内の映画市場は4月(特に清明節の後)から、輸入映画の中で、日本映画が本数と興行収入のいずれもハリウッドの大作に追いつく勢いにある。これまで『一人勝ち』だった米国映画は、かつての人気を失っているようで、特に宮崎駿監督の作品を代表とする日本アニメは、中国の観客からますます歓迎されている」と伝えた。

続けて、「中国で公開9日目となった『君たちはどう生きるか』が、4月11日の午後の時点で、1日の興行収入がハリウッドの怪獣映画『ゴジラ×コング 新たなる帝国』を抑えて首位になっている。この宮崎駿監督のアカデミー賞受賞作品の累計興行収入は5億7200万元(約120億円)を記録し、今年の輸入アニメ映画の第1位、輸入映画の第2位になった(『ゴジラ×コング 新たなる帝国』の14日間の累計興行収入は7億元(約140億円))。その後、『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』(4月19日)、『デジモンアドベンチャー02 THE BEGINNING』(4月20日)、『ハウルの動く城』(4月30日)、『劇場版SPY×FAMILY CODE:White(コードホワイト)』(4月30日)など、多くの日本映画が公開予定。さらに、『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』、『Ryuichi Sakamoto|Opus』、『四月になれば彼女は』、『夏へのトンネル、さよならの出口』、『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』など、多くの新旧の日本アニメ映画、ドキュメンタリー、実写映画が上映される予定。これは、多くの二次元ファンや日本映画ファンにとって、まさに『祭り』のような状態だ」とつづった。

さらに、「輸入映画というと、中国の多くの観客が抱く第一印象はハリウッドの大作であり、他の欧州や日本映画は、より多くの選択肢を提供する補完的な役割として見なされてきた。しかし、この傾向は昨年から変化し、日本映画、特に幅広い観客層を持つアニメ映画は、興行収入や注目度の点でますます際立ってきている。2023年の輸入映画では、日本のアニメ映画『すずめの戸締まり』と『THE FIRST SLAM DUNK』の2本がそれぞれ8億元(約160億円)、6億6000万元(約130億元)の高興行収入を記録。『トランスフォーマー/ビースト覚醒』の6億6000万元(約130億元)や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3』の6億600万元(約130億元)に劣らない興行収入を収め、『ドラえもん』、『名探偵コナン』、『ONE PEACE』、『クレヨンしんちゃん』、『ドラゴンボール』などの有名なアニメIPシリーズの劇場版を毎年中国が輸入する度、安定したファンの支持を受けている」と言及した。

また、「日本からの輸入映画は、中国映画の観客を奪うわけでもなく、ハリウッド大作と技術を競うわけでもなく、今や独自の市場を開拓している。中国で着実に成長している二次元のファン層により、日本のアニメは自国での興行収入記録を超えられるだけの規模を持っているのだ。これは、日本の映画制作者や制作会社に中国を重要な海外市場と見なすように促している。『すずめの戸締まり』の新海誠監督や宮崎監督の古いパートナーである鈴木敏夫氏も、自ら中国に訪れて宣伝活動を行うことで、新作映画や名作映画の再公開にもつなげているのだ。宮崎監督の旧作『紅の豚』と『天空の城ラピュタ』は昨年中国で公開され、それぞれ2317万元(約4億円)と1億3000万元(約27億円)の興行収入を記録した。今年の4月30日に公開予定の『ハウルの動く城』は、『君たちはどう生きるか』の人気の追い風を受けるだろう。そして『攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間』 のような、アニメーションやSF史において画期的な作品は、今回の4K修復版の上映を通じて、多くのSFファンがはじめて『Making of Cyborg』(主題歌)を大画面で体験する機会を得た」とした。

そして、「日本の実写映画はアニメ映画に比べて中国ではマイナーな存在であり、近年ではカンヌ国際映画祭のパルム・ドール賞を受賞した是枝裕和監督の『万引き家族』の9674万元(約20億円)と『花束みたいな恋をした』 9606万元(約20億円)など、いくつかの作品が興行収入において好成績を収めている。最近発表されたばかりの『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』は、出稼ぎ労働者の共感を呼ぶ想像力豊かなファンタジーコメディー、『四月になれば彼女は』は日本で3月22日に公開された新作で、佐藤健と長澤まさみが主演の純愛映画となっている」と紹介した。

なお、記事は「日本映画以外にも、この2年間で中国では、さまざまな国や言語の優れた作品が輸入されている。例えば、欧州映画の代表として知られるフランス映画は、昨年『ノートルダム 炎の大聖堂』や『DOGMAN ドッグマン』が中国で上映され、今年はカンヌ国際映画祭のパルム・ドール受賞作品であり、監督自らが中国を訪れ、最高級の芸術映画と示した『落下の解剖学』も上映される。新たな輸入作品リストには、多くの映画ファンにとっての『啓蒙映画』であるリュック・ベッソン監督の代表作『レオン』が登場する。この作品は30年の時を経て中国で公開され、多くの人々に『監督に感謝の意味を込めて、さらに映画チケットを買おう』と考えさせた」と述べた。

最後に、記事は「日本映画やフランス映画の注目が高まる一方、ハリウッド映画のシェア率と興行収入は明らかな減少傾向にある。昨年、中国で最も高い興行収入を記録したハリウッド映画『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』は9億8000万元(約38億円)、興行収入ランキングの12位にとなり、2019年のランキングトップであった『アベンジャーズ/エンドゲーム』の興行収入42億元(約880億円)に及ばなかった。 年間興行収入ランキングの上位20作品には、『ワイルド・スピード/ファイヤーブースト』、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』、そして中米合作の『MEG ザ・モンスターズ』の2.5本のハリウッド映画しか含まれていない。現在、マーベル・シネマティック・ユニバースを含む多くのハリウッドIP映画の集客力は大幅に低下。『マーベルズ』の興行収入は1億1000万元(約23億円)にとどまり、『カンフーパンダ4』も前作の興行収入に及ばなかった。さらに、『バービー』、『オッペンハイマー』、『デューン 砂の惑星 PART2』といった評判の良い作品でさえ、中国の観客にとっての魅力は低下している。米国の作家や俳優による昨年のストライキの余波は今年も続いており、次のハリウッド映画の一斉公開は夏まで待たなければならないだろう。中国映画に加えて、中国の観客は日本や欧州の映画を通じてさまざまな国の異文化を体験できる。例えば3月15日に公開されたロシア映画『挑戦(ザ・チャレンジ)』は、米国人よりも先に制作した人類初の実写『宇宙映画』であり、その意義は興行収入だけでなく、中国の観客に輸入映画の多様で無限の可能性を体験させることになる」と結んだ。(翻訳・編集/岩田)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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