人民網日本語版 2024年3月23日(土) 10時0分
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日本銀行は19日、金融政策決定会合を開き、マイナス金利政策を解除し、政策金利を従来のマイナス0.1%から0~0.1%に引き上げることを決定した。
日本銀行は19日、金融政策決定会合を開き、マイナス金利政策を解除し、政策金利を従来のマイナス0.1%から0~0.1%に引き上げることを決定した。同時に、長期金利を低く抑える長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の枠組みを撤廃し、上場投資信託(ETF)と上場不動産投資信託(Jリート)の買い入れをやめることも決定した。日銀が利上げに踏み切るのは17年ぶりで、日本が約11年にわたって維持してきた大規模な金融緩和政策が普通の金融政策へ移行し始めたことも示している。
日銀は長期に及ぶデフレから脱却するため、2013年に異次元の金融緩和政策を打ち出し、16年2月にマイナス金利政策を、9月にはYCCを導入すると同時に、国債を大量に買い入れ、10年国債の利回りを低水準に抑えた。
大規模な緩和政策が長期にわたったことから、そのマイナス効果が日増しに顕在化するようになった。現在、日銀のバランスシート上の負債が758兆円に上り、規模が20年前の10倍に膨らみ、国内総生産(GDP)に対する比率は136%を超えた。日銀が保有する国債は発行済みの国債の半数以上を占め、国債市場の流動性の低下を招いた。同時に、金融緩和政策は政府の国債発行コストを押し下げ、一般会計の概算要求の増加を後押しして23年は114兆円に達し、対GDP比は20%を突破した。長期のマイナス金利政策により、一部の企業は競争力が低下した。統計によれば、日本では企業総数のうちゾンビ企業が12%前後を占める。そのため昨年4月以降、日銀は普通の金融政策への転換のタイミングを計っていた。
22年以降、米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利上げを行ったのに伴い、日本では急速な円安が進み、輸入商品価格が大幅に値上がりし、インフレ率も上昇した。24年1月には、日本のコアCPI(消費者物価指数)が29カ月連続で前年同期比上昇し、22カ月連続で2%かそれ以上になった。日銀は、「最近のインフレサイクルは主にエネルギーと原材料の輸入コスト上昇および円安が後押ししており、日銀が願う『賃金上昇が物価上昇を後押しする好循環』ではない。そのため日銀は賃金上昇をインフレ率2%が安定的に達成されたかどうかを判断する重要な指標とみなしている」との見方を示す。
日本労働組合総連合会(連合)が15日に発表したデータによると、「今年の春闘の賃上げ率は前年を1.48ポイント上回る5.28%になり、1992年以降で初めて5%を超えた」という。この結果は日銀がマイナス金利政策の解除を決定した直接の促進要因だ。
日銀によれば、予測可能な将来において、日本では金融緩和の環境が継続し、マイナス金利政策を解除しても預金金利または貸出金利が大幅に上昇することはないという。多くの分析も、「日銀の今回の政策調整が日本の経済状況を著しく変える可能性はあまりない。今もなお、日本経済は緩やかな回復の中にある」との見方を示す。実際のところ、09年以降に、日本の潜在成長率は0.6%と非常に低い水準に落ち込んだ。現在は、個人の賃金上昇幅が物価上昇幅に追いつかないことが、消費の活力不足を招いている。このほか、日銀の国債保有残高は576兆円にも達し、ETFの残高は70兆円に迫り、これほどの規模の資産をどう扱うかが、日銀の直面する大きな難題だ。
全体としては、日本の金利政策の調整により、短期的には政府、企業、個人の債務負担が増え、企業の破産件数が増加するだろう。長期的には、日本の金利政策は国民の預金金利を増やし、過度の円安による資産の外部への流出を抑える上でプラスになると同時に、企業の効率と競争力を高める上でもプラスになるだろう。(提供/人民網日本語版・編集/KS)(提供/人民網日本語版・文/張玉来・南開大学日本研究院副院長・編集/KN)
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