米国による規制強化後、中国のオランダ製リソグラフィー装置輸入が激増―香港メディア

Record China    2023年12月26日(火) 7時0分

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仏メディアRFIの中国語版サイトは12月24日、中国が11月にオランダから輸入したリソグラフィー装置の総額が10倍に急増したとする香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストの記事を掲載した。

フランス国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは12月24日、中国が11月にオランダから輸入したチップ製造の要であるリソグラフィー装置の総額が10倍に急増したとする香港の英字紙サウスチャイナ・モーニングポストの記事を掲載した。

記事は、「中国が11月に輸入したオランダ製リソグラフィー装置は計16台、7億6270万米ドル(約1086億円)と前年同月に比べ金額で1050%増を示し、そのほとんどは最大手リソグラフィー・メーカーのASMLから調達している」と伝えた。また、「前月の計21台、6億7250万米ドル(約958億円)に比べると装置の平均単価が46%増加しており、米国政府が対中規制を強化した後も、中国の半導体メーカーは特定の先端装置の調達ルートを断ち切られていない」と述べ、「米国が阻止しようと努力しているにもかかわらず、中国企業はより先進的なシステムを獲得し続けている」との見方を示した。

また記事は、「今年11月に中国が輸入したリソグラフィー装置計42台、総額8億1680万米ドル(約1163億円)のうち15台は日本の大手キヤノンとニコンの製品であり、輸入額のほぼ全額をオランダと日本が占めている」と指摘。「半導体製造に重要な10種類の装置の中でも特に重要と言われるフォト・リソグラフィー装置の製造で、中国は技術的に何年も遅れている」とし、「たとえ政府が多額の投資を行っても、トップ企業との格差を未だに縮めることができていない」と報じた。また「中国政府は長年にわたり技術的な自力更生のアジェンダを推進してきたが、中国国営ファウンドリーのCanSemiが今年8月に開かれたフォーラムで発表したデータによると、2021年までに中国のファウンドリーが使用したリソグラフィー装置のうち中国製は5%にも満たない」と述べた。

記事はさらに、「米商務省が10月に中国を対象とした輸出管理規則を拡大した後、2カ月連続で輸入が急増した。リソグラフィー装置に関する項目で米国は特定の深紫外(DUV)装置に適用していた『デミニマス』ルール(米国以外の企業の製品であっても25%以上米国由来の技術を含んでいればロングアーム権限が与えられる)を廃止し、オランダ政府が9月に施行した輸出規則よりも高いハードルを設定した」と述べ、「規制強化に伴い、ASMLはTwinscan NXT:1980Diを含む液浸DUV露光装置を、同社にとって3番目に大きな市場である中国の少数の先端チップメーカーへ出荷することが制限された」と指摘した。

その上で、ASMLのピーター・ウェニンク(Peter Wennink)CEOが、「今回の規制は28ナノメートル以上と定義される成熟チップやレガシー・チップの製造を手掛ける中国の顧客の大半を除外するものだ」と述べたことを伝えた。(翻訳・編集/榊原)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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