Record China 2023年12月2日(土) 7時0分
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華字メディアの日本華僑報は11月27日、日本の住宅市場の価格上昇に関する論評を掲載し、価格上昇原因のすべてが外国人投資家に起因するものではないと分析した。
持続上昇していた東京23区内の住宅価格が今年10月初めて下落に転じた。小型新築1戸建て住宅の平均販売予定価格は6921万円(前月比2.8%減)と最近3カ月で初めての下落である。また東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)でも小型新築1戸建て住宅の平均販売予定価格は前年比で0.9%減の5260万円となり、東京都全体では6254万円、下げ幅は2.4%だった。
記事は、「住宅価格が下落したとはいえ、多くの国民にとっていまだ手の届かないレベルだ。小型1戸建て新築物件の価格は下がっても、東京圏の新築マンション平均価格は6727万円と前年に比べて74万円上昇し、平米単価は連続7カ月最高値を更新している」とし、「住宅のタイプにより価格が下落しても、日本の住宅価格は依然として高止まり傾向にある」と指摘した。
住宅価格高騰の原因はさまざまであるが、記事は一部のメディアが外国人投資家のせいだと主張したことに言及し、「円安に伴い、大量の外資が日本の不動産市場に流入したため、長年にわたってハイエンドの新築マンションだけでなく中古マンションも投資のホットスポットになったが、一部の外国人投資家にとって、日本の不動産市場は価格的に買えないわけではなく、条件が合わないのだ」と指摘。「このような資金豊富な強気の買い手市場は、日本の不動産価格を自然に押し上げる効果があると思われるが、価格高騰の原因をすべて外国人投資家のせいにするのは責任逃れの感が否めない」と評した。
日本の不動産価格は目前の需給バランスで決まるだけでなく、今後の景況予測にも左右される。記事は、「バブル経済当時に住宅価格が高騰したのは、将来さらに上昇するとの見方が主流だったからだ。逆に将来住宅価格が元値割れすると予測する人が多ければ、住宅価格は予想通り下落する。現状において、東京都の新築マンション価格は今後さらに上昇するというのが一般的な見方であろう」と述べた。
一方、日本の消費者物価指数(CPI)も住宅価格と共に上昇している。CPIの統計に含まれるのは家賃の水準で、不動産、株式、債券など生活費以外の支出による価格変動は含まれない。だが記事は「CPIの上げ幅は、日本の不動産価格の変動に関連している」との見方を示した。
記事は、「CPIを消費財とサービス価格の変動を反映する重要なマクロ経済指標として見た場合、日本のCPIは1997年をピークに持続下降し、2013年に『アベノミクス』が発表されたあと、緩やかな上昇に転じた。CPIの変動は不動産価格の変動に遅れをとり緩やかではあるが上昇している」とし、「両者の動向はほぼ同じであり、資産と消費財の差異あるいはストックとフローの差異である。資産価値としての不動産は将来予期される利益を反映し、CPIが示す消費財のフローは、ある時点での価格を反映するものだ」と述べた。
日本では過去20年来、光熱費などエネルギー消費材と食料品など生活必需品の価格が大きく上昇してきた。記事は、「資源備蓄が脆弱(ぜいじゃく)で食品自給率が40%に満たない日本にとって、消費財の多くは輸入品であるため、日本人の所得がますます海外に流出しているとある程度考えられる」とし、「日本人は一般的に物価、年金、老後などの現実問題に危機感を持っているため、消費の節約や無理して貯蓄といった考え方が主流となっており、日本の貯蓄残高が異常に高い現象が起きている」と分析。「株式など金融資産に投資する日本人は海外に比べて少ない一方、重要な投資先である不動産は、資産価値の上昇が明らかで分かりやすい」と述べた。
記事は、「不動産価格の上昇を決定するのは、日本の現在の経済状況、消費者心理、日本の不動産に対する国内外の評価であると言えるだろう。つまり不動産市場に投下された海外投資家の大量の資金が、日本の不動産価格を引き上げた主な原因ではないということだ。前者は『必然』であるが、後者は『お買い得』故の行動だ」との見方を示した。(翻訳・編集/榊原)
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