軍部独裁続くミャンマーで反政府勢力との戦火拡大、「一帯一路を危険にさらす?」と米誌

Record ASEAN    2023年11月18日(土) 16時0分

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軍部による独裁体制が続くミャンマーで、国軍部隊と反政府武装勢力との戦闘が中国との国境付近にも拡大。中国主導の「一帯一路」などが危険にさらされる可能性もある。

軍部による独裁体制が続くミャンマーで、国軍部隊と反政府武装勢力との戦闘が激化している。戦火は中国との国境付近にも拡大。米誌は中国が主導する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」や中国との主要な貿易ルートを「危険にさらす可能性がある」との専門家の見方を紹介した。

米誌ニューズウィークによると、2021年2月のクーデターで政権を掌握して以来、民主化要求を弾圧し続けてきたミン・アウン・フライン国家行政評議会議長率いる軍事政権と少数民族武装勢力「MNDAA(ミャンマー民族民主同盟軍)」が衝突したのを受け、中国は農融外務次官補をミャンマーに派遣して鎮静化を呼びかけた。

軍政に打撃を与えたのは、MNDAAが中国雲南省と国境を接する東部シャン州北部の国境の町チンシュエホーを制圧したことだ。この町は中国からミャンマーを貫きベンガル湾に出る18億ドル(約2700億円)相当の重要な貿易ルートの一部になっている。

報道によると、10月27日以来、反政府勢力はミャンマー国軍の前哨基地90以上を制圧。軍は少なくとも3つの町を失ったことを認めた。国連によると、ミン・アウン・フライン議長は反政府勢力に立ち向かうことを誓い、国軍は空爆で応戦している。衝突によりこの地域では約4万8000人が避難を余儀なくされた。

ミャンマーの現状について、ペンシルベニア大学バックネル校の朱志群教授(政治学・国際関係学)は「反政府勢力と軍事政権の戦闘は中国にとって深刻な問題となっている」と語った。中国は通常、他国の内政や内戦に関与したがらないが、この地域には雲南省とベンガル湾を結ぶ中国・ミャンマー経済回廊(CMEC)が設置される予定であり、ここでの戦闘は間違いなくミャンマーと東南アジアにおける一帯一路実現の支障になるからだ。

さらに朱氏は「雲南省の国境沿いの環境が不安定になっていることは、中国国境地帯の発展にも悪影響を及ぼすだろう」と言及。紛争から逃れるために難民が中国国境の町に入れば、人道的危機が生じる可能性も高くなる。

超党派のシンクタンク民主主義防衛財団のクレイグ・シングルトン上級中国研究員は「軍事政権が国境の安定を確保するために具体的な措置を取るか、それとも中国がそれをやるか、どちらかだ」と指摘。「民族自決を求める反政府勢力が中国にとって二重の課題となっている。中国の一党支配に対するリスクだ」と述べ、「不安定な事態が拡大すれば、この地域での一帯一路構想への投資が危うくなる可能性もある。総合すると、これらのリスクは中国政府にとって無視できないほど深刻だ」と続けた。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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