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雪の上に残っていたのは飼い犬の首、地元当局はトラ被害に警戒強化―黒竜江省

Record China    2023年11月12日(日) 20時0分

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中国メディアが衝撃的な写真を掲載した。雪の上に、一部が赤く見える黒い物体がある。犬の頭部だ。トラに襲われたとの見方が強い。地元の黒竜江省虎林市当局は、住民に警戒を呼び掛けた。

中国メディアが衝撃的な写真を掲載した。雪の上に、一部が赤く見える黒い物体がある。犬の頭部だ。トラに襲われたとの見方が強い。地元の黒竜江省虎林市当局は、住民に警戒を呼び掛けた。

飼い犬を失った農村部住民によると、8日夜には午後9時ごろになっても屋外で飼い犬が吠えていた。特に確認はせず、そのまま就寝したという。翌朝になり餌をやろうと屋外に出ると、残っていたのは犬の頭部だけだった。

虎林市政府は9日、市内の虎頭鎮とその周辺地域では7日以降、野生のトラの活動の痕跡が次々に見つかっており、少なくとも2頭が市内で活動していると判断したと発表した。同市政府はさらに、人と野生動物の遭遇の可能性を低減して人の生命と財産の安全を確保するためとして、地元住民および市外からの来訪者の山間部への立ち入りを禁止した。また指定した地区の住人には、生活に必要な物資を買い置きして、必要時以外には外出しないことを提案した。

トラによる襲撃は黒竜江省ハルビン市内でも発生している。同市イラン(依蘭)県内では8日、飼育していた牛がトラに襲われて死んだ。地元当局関係者やその他の専門家が現場の痕跡などを分析した結果、牛を襲った野生動物はアムールトラ(中国での呼称は「東北虎」)と断定した。


アムールトラはかつて、中国東北部、朝鮮半島、モンゴル、シベリアの広大な範囲に生息していたが、現在の生息地は中国東北部とシベリア最東部にほぼ限られ、個体数も500頭程度のために落ち込んだとされる。そのためアムールトラはワシントン条約の付属文書で「最も深刻ではないが、近い将来における絶滅の危険性が高い」とされる絶滅危惧IB類(EN)に分類されている。

ただしアムールトラについては、保護活動が盛んになり個体数は回復傾向にあるとの見方がある。また中国ではアムールトラが国家1級保護動物に指定されており、人や家畜などに被害を及ぼしても駆除はできない。

2021年に公布された「黒竜江省陸生野生動物による人身傷害と財産損失補償弁法」によると、陸生野生動物による農作物、経済林・樹木の損失については、前年度の現地市場の平均価格の50%で損失を補償する。また家禽や家畜にけがを負わせた場合には市場価値の30%を補償する。家禽・家畜が死んだ場合には市場価値の50%を補償する。中国では野生動植物の保護に力を入れているが、一方では人や財産の被害も発生している。代表的な例としては東北地方でのアムールトラによる被害や、雲南省でのアジアゾウによる被害がある。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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