Record China 2014年8月10日(日) 8時2分
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ガイドブックの仕事をしていると言うと、中国人男性の6、7割の人から「自分の仕事を話し、ただでホテルに泊まり、ただで食事をしないのか」と言われる。女性はこんな風には絶対言わない。中国の男性は世間知らずだ。
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中国の経済的なホテルやユースホステルに泊まっていると、多くの旅好き中国人と出会う。そこで私が出会った中国人男性のうち6割か7割の人に言われる言葉がある。それを言われるたびに私は、中国の社会がわからなくなり、中国の男性のことも理解不能に陥るのだ。
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私は日本で中国の名所旧跡や名物料理を紹介する仕事をしている。中国のガイドブックにまつわる仕事だ。私の仕事を宿で出会った中国人男性に話すと、「じゃ、このホテルはただで泊まっているの?」と聞いてくる。ガイドブックの取材をしている時もホテルやレストランからお金を受け取ってはいけない決まりだし、ホテルやレストランとは関係ない取材している時も多い。だから現地でホテルやレストランからお金を受け取ったり、代金をただにしてもらうことはない。私の場合、ひとりで取材し、自分の仕事を相手に話さないことも多い。すると、ほとんどの男性がこういうのだ。「あなたはなぜ、自分の仕事を相手に話し、ただでホテルに泊まり、ただで食事をし、ただで旅行をしないのか?」
この言葉を聞くと、ため息がでる。中国は日本より生存競争が厳しく、法に守られていない部分も多い。日本より厳しい社会のはずだ。簡単にただでホテルに泊まり、レストランでただで食事を取れるなんてことはない。それに今、中国では出版社やテレビ局を名乗る人たちが、テレビや雑誌で紹介してあげると言ったり、取材と称し、豪勢に飲み食いし、代金を払わないという詐欺が横行している。都市部のレストランはこの手の詐欺に敏感なのだ。
つい最近も成都のユースホステルで、30代も半ばを過ぎた武漢の男性にびっくりするような話をもちかけられた。安徽省の黄山名物は毛がはえた豆腐だ。最初、この豆腐を探すのに私は苦労した。安徽省休寧県の旅游局にメールを送り、情報を集めようとした。話はずれるが、私が行くところはガイドブックにも載っていないマイナーなところが多い。そこの県の旅游局に行き方などの質問メールを送るが、県の旅游局ってところはただの1度も返事をくれたことがない。そんなところなのだ。で、この武漢の男性は「君がその署名記事を私に送ってくれたら、私がそこの県の旅游局に日本で宣伝したと言って、原稿料を取ってあげるよ」と言うのだ。「そんなものは頼みもしないのに、勝手に記事を書いたんだろ。なんで原稿料を払う必要があるんだと言われておしまいよ」と答えた。
中国の男性って、中国の現実社会の厳しさに直面して生きているはずなのに、どうしてこうも世間知らずで言うことが甘いのだろう。ちなみに中国人女性で私に「ただでホテルに泊まり、ただで食事をしたらいい」と言った人はひとりもいない。
■筆者プロフィール:浜井幸子(はまい・さちこ)
1966年神戸市生まれ。19才の時、初めての海外旅行で行った中国の魅力にはまり、90年代の中国をバックパック旅行する。その後、中国やアジアの食を中心に書くライターとして活動中。著書に「中国おもしろ商人スクラップ」、「中国まんぷくスクラップ」など。
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