南シナ海における中国とフィリピンの緊張激化を懸念―仏メディア

Record ASEAN    2023年9月29日(金) 5時0分

拡大

27日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、南シナ海の領有問題をめぐる中国とフィリピンの緊張激化に対する懸念が強まっていると報じた。

2023年9月27日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、南シナ海の領有問題をめぐる中国とフィリピンの緊張激化に対する懸念が強まっていると報じた。

記事は、フィリピン政府が先週末、南シナ海にあるスカボロー礁(中国名は黄岩島)付近の中国が実効支配する海域で漁をするフィリピン人漁師への定期的な補給を行っていたところ、浅瀬の入り口に中国がフィリピン人の漁場への立ち入りを阻止するために設置したものとみられる長さ300メートルのフローティングバリアを発見、25日にこのフローティングバリアを切断する「特別作戦」を実施し、同国の沿岸警備隊が「バリアは航行に危険を及ぼし、これは明らかな国際法違反である。大統領の指示に従い、バリアの撤去に成功した」と発表したことを紹介した。

そしてフィリピンのエンリケ・マナロ外相が「これは南シナ海に関するフィリピンの立場を貫くため実施した」と述べたことを伝え、同国が中国による南シナ海の領有権主張に対してより強い姿勢を示しつつあることは間違いなく、もとより悪化の傾向にある中国との関係をさらに悪化させる可能性が高いとした。

その上で、トラブルの発端となった浅瀬は年間約3兆4000億ドル(約510兆円)相当の貿易規模を持つ航路に近く、北京にとって戦略的に重要であり、中国は本土から数千キロ離れたベトナム、マレーシア、ブルネイ、インドネシア、フィリピンに近い海域を含む、南シナ海の海域の90%に対する主権を主張し続けていると指摘。この10年では特にこれらの海域に対する支配を強め、前哨基地や飛行場の建設といった要塞化を進めており、多くのアジア諸国と、世界で最も交通量の多い航路の航行の自由を維持することが自国の利益になると考える米国に警戒心を抱かせていると解説した。

記事は、英ロイターが「中国による南シナ海でのフローティングバリア使用が、南シナ海の現状を変えるものなのかどうかは不明だ」と分析する一方で、フィリピンは中国との関係悪化を契機として同盟国である米国との軍事的結びつきを強めていると分析したことを紹介。米ニューヨーク・タイムズも、中国に対して厳しい外交姿勢を示すも言論のレベルにとどまってきたマルコス政権が今回実際の行動を示したことで、中国がどのような対抗措置を取るか、中国とフィリピン、さらには米海軍艦隊との軍事衝突リスクが高まるのではないかとの懸念が高まっているとし、一部の学者からは南シナ海で米中が軍事衝突するようなことがあれば、日本やオーストラリアといった米国の同盟国も「黙って見ていられないかもしれない」との見方も出ていると紹介したことを伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携