世界を駆け巡った「宇宙人の遺体を発見」のニュース、中国の専門集団も否定的見解

Record China    2023年9月17日(日) 12時0分

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中国航天科技集団は「メキシコで『宇宙人』のものとみられる遺体2体が公開されたことについて、「現在までのところ、宇宙活動において宇宙人の存在を証明する確かな証拠は発見されていない」と表明した。

中国航天科技集団は14日、SNSを通じて、「メキシコで『地球外生物』とみられる遺体2体が公開されたことに関するユーザーからの質問に答え、「現在までのところ、宇宙活動において宇宙人の存在を証明する確かな証拠は発見されていない」と表明した。

メキシコ議会では12日、同国人でジャーナリスト兼UFO研究家と称するハイメ・モーサン氏が「宇宙人の遺体」と主張する「物体」についての公聴会が行われた。ケースに入れられて公開された2つの小さな「遺体」には両手に3本の指があり、頭部は後方に長く伸び、顔面には大きな目がある。なお、顔面の目、鼻、鼻の穴、口に見える部分の数と配列は、人と同様だ。

モーサン氏は「宇宙人の遺体」について、2017年にペルーの珪藻の採集所で見つかったもので、メキシコ国立自治大学の炭素14測定の結果、2体の遺骨はそれぞれ1800年と700年前のものであることが分かったと主張した。なお、「地球上に生きる生物は地球上の炭素循環システムに組み込まれている」ことを理論上の裏付けとする炭素14測定を、「地球に由来しない」と主張する「宇宙人の遺体」に適用して生きていた年代が判明できたと主張する理由については不明だ。

モーサン氏がメキシコ議会に提出した研究報告書によると、遺骨2体の体内には「レアメタル製のインプラント」が存在し、うち1体には「卵」とみられる物体も存在したという。また報告書は、遺伝子解析の結果、遺骨のDNAの3分の1近くは「出所が不明」であり、「それらは人間とは何の関係もない」ことが明らかになったと主張した。

メキシコ海軍医療科学研究所のホセ・デ・ヘスース・ザルス・ベニートス所長は公聴会で、死体のスキャン画像を議員らに見せ、遺体に歯はなく、格納可能な首に大きい脳と大きい目があり「広い立体視覚」を持っていると主張した。

モーサン氏については2015年にも、ペルー南部のナスカの地上絵遺跡の近くで「宇宙人の遺体」を発見したと主張して注目された。ただし、後になりその「宇宙人の遺体」は「人の子のミイラ」であることが明らかになった。またベニートス所長は、その時の「宇宙人の遺体」の研究チームのリーダーだった。

また、メキシコ国立自治大学天文研究所は今回の「宇宙人の遺体」について、公聴会終了後に、地球外生命体の存在を示す十分な証拠は今のところないと論評し、「非凡な主張には非凡な証拠が必要だ」と指摘した。


米シカゴ大学の科学史専門家であるジョーダン・ビム氏は、「モーサン氏は長年、疑似科学を宣伝する芸能サイトと協力してきたが、科学研究機関とは協力していない。この事実は危険なシグナルだ」と批判した。

中国では、自国の宇宙開発が大きな成果を上げ続けていることもあり、宇宙、さらには科学全般に関心を示す人は多い。ただし、モーサン氏が主張する「宇宙人の遺体発見」を報じている最有力メディアは見当たらず、それ以外のメディアも「科学界は疑問視している」などの論調で専門家の見解を紹介している。新華社系の新華網は同ニュースを14日で掲載したが、16日までに閲覧できない状態になった。

モーサン氏の今回の発表に対する否定的な見解を公式に発表した中国航天科技集団は、中国の宇宙開発計画における主契約企業で、グループ各社が宇宙船、打ち上げロケット、戦略および戦術ミサイルシステム、地上機器などの一連の設計・開発および製造を行っている。また、中国航天科技創新研究院などの研究組織も傘下に擁している。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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