日本の処理水放出、新しい形勢下の「二つのすべて」が中国の世論の場を引き裂く―香港メディア

Record China    2023年8月30日(水) 13時0分

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福島第一原発にたまる処理水の海洋放出に関連し、香港ニュースポータルの香港01に、新しい形勢下の「二つのすべて」が中国本土の世論の場を引き裂いているとする論評記事が掲載された。写真は北京の日本料理店。

東京電力福島第一原発にたまる処理水の海洋放出に関連し、香港ニュースポータルの香港01に28日、新しい形勢下の「二つのすべて」が中国本土の世論の場を引き裂いているとする論評記事が掲載された。

「二つのすべて」とは、毛沢東の死後に権力を受け継いだ華国鋒が提唱した政治標語で、「すべての毛主席の決定を断固守り、すべての毛主席の指示に忠実に従う」というものだ。

記事はまず、「本土の世論の場は近年、ほぼすべての重大な公共的事件が起きるたびに真っ二つに割れ、二つの偏執的な見解が互いに攻撃し合う」とし、「福島原発の処理水放出問題がその最新の例だ」とした。

記事は「これは本来、環境と科学の問題であり、慎重さが求められるものだ。だが本土の世論の場では、『陰謀論を宣伝し、日本の誤りを誇張し、日本に対する民族的憎悪をかき立てる』ものと、『日本を擁護し、中国の民衆と政府が言いがかりをつけていると風刺・批判する』ものという二つの観点がある」とした。

記事は「前者の観点を持つ者のほとんどが民族主義者、国家主義者であり、後者の観点を持つ者の多くがリベラル派だ。両派対立は、本土の世論の場で近年、反知性主義と横暴で勝手わがままな気持ちがまん延した要因であると言える。福島原発の処理水放出問題は本来、軽々に結論を出すことが難しい問題だ。人によって意見が異なるのはごく当たり前のことだが、残念ながら、民族主義者、国家主義者、リベラル派の多くは常に我意を通すことを好み、反対のために反対することさえある」とした。

記事は「こうした観点の二極分化の背後にあるのは、『黒でなければ白』という二項対立または両極思考の『たたり』であり、新しい形勢下の『二つのすべて』でもある」と指摘。「人間は複雑であり、無数の人々で構成される社会は特に複雑かつ多様で、単一の観点や思考で『思想市場』を独占しようとする試みには警戒が必要だ。異なる観点の間で最も重要なのは『和して同ぜず』であり、理性的な議論を通じて真実を明らかにすることで、意見を同じくする者と徒党を組んで意見を異にする者を攻撃したり、反対のために反対したりすることではない。文化大革命を経験した中国人なら『二つのすべて』の危険性をよく知っているはずだ」とした。(翻訳・編集/柳川)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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