映画「バービー」、日本の批判の背後にある矛盾した認識―中国専門家

Record China    2023年8月5日(土) 18時0分

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4日、環球時報は「日本の『バービー』ボイコットの背後に見られる矛盾した認知」と題した、清華大学人文・社会科学高等研究所の徐仕佳氏による評論記事を掲載した。

2023年8月4日、環球時報は「日本の『バービー』ボイコットの背後に見られる矛盾した認知」と題した、清華大学人文・社会科学高等研究所の徐仕佳(シュー・シージア)氏による評論記事を掲載した。

徐氏は、近ごろ世界で公開され人気を博しているコメディー映画「バービー」と、「原爆の父」の生涯を描いた伝記映画「オッペンハイマー」を組み合わせた「バーベンハイマー」のミーム画像がネット上で拡散して日本で強い反発の声が出ており、日本のネットユーザーからは8月11日公開予定の「バービー」の観賞ボイコットを呼びかける署名活動も始まったと紹介した。

その上で「唯一の被爆者という特異な体験から導かれた全人類平和の理念は、日本が戦後、国際社会に復帰してその地位を新たにし、さらに国際的な影響力を拡大するための道筋の一つであったことは間違いない」とし、日本政府が1960年代から70年代にかけて「核兵器を持たず、作らず、持ち込ませず」という「非核三原則」を提唱し、長きにわたって核なき世界、人類の平和を訴え続けてきたと伝えた。

一方で日本政府は「核兵器製造の技術的・経済的可能性を維持する」という隠れた目標を達成するために、リスクそっちのけで「クリーン、安全、安価」という宣伝文句のもと大々的に原子力産業を発展させ、原子力の「神話」を国民の前に作り上げてきたとした。そして「2011年の東日本大震災によって東京電力福島第1原子力発電所で大規模な放射能物質漏れが発生し、放射性物質を含んだ水が海を介して地球の隅々にまで広がっている。さらに今、日本政府は福島原発の汚染水を海に流すことを一方的に決定した。その深刻な結果は推して知るべしだ」と主張した。

徐氏は「バービー」のボイコットが日本社会における原子力に対する認識の矛盾を客観的に露呈しているとし、「原爆という悲劇的な過去を追悼する一方で、原子力の不適切な使用による悪影響や潜在的な国際的リスクを意識的、無意識的に回避している。被爆体験に基づく一方向的、独善的な歴史反省のもとでは、全人類の平和というビジョンは口先にとどまり続けるばかりだ」と評した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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