中国人が大好き、火鍋にも欠かせない「あの食材」の多くが密輸入品―中国サイト

Record China    2023年7月30日(日) 18時0分

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中国では、多くの人が火鍋(鍋料理)の食材などとして好むセンマイの多くが密輸されたものという。流通過程で適切な衛生管理がされていない可能性がある。

中国の情報サイトである捜狐はこのほど、中国人が火鍋(鍋料理)の食材などとして大いに好むセンマイの多くが密輸入品と指摘する記事を発表した。流通過程で適切な衛生管理がされていない場合があるという。

センマイは、唐辛子を効かせた火鍋などで、特に人気がある食材だ。原料は牛の第三胃で、タンパク質、カルシウム、鉄分、チアミンなどの栄養分も豊富に含まれている。フランス料理にも使われるが、世界的に見て特に多く使われる食材ではないが。ただし、中国では多く食べられていて、四川・重慶地区だけについて控えめに見ても、毎年12万トン以上が食べられている。

中国国内ではこのところ、センマイの人気がますます高まっていて、品薄になる場合もある。一般的には牛1頭から約4-5キロのセンマイ取れる。中国の年間5000万頭の牛が出荷されるので、単純計算すればセンマイの生産量は20万-25万トン程度になる。この量では、中国全国の需要を満たすことはできない。

輸入にも問題がある。多くの国ではセンマイの加工、包装、貯蔵・輸送に対する管理が不足しており、安全面に問題がある可能性があることだ。中国はセンマイの輸入について厳格な検査や検疫を実施しており、現在のところ輸入が認められているのは米国産とニュージーランド産のセンマイだけだ。ロシア、ベラルーシ、コスタリカ、リトアニア、ウルグアイなどの国も中国への輸出を申請したが、まだ許可されていない。

しかし実際には、中国人の食卓には海外からたえずセンマイがやってくる。世界的な輸出入統計サイトの「ボルザ」によると、センマイの1000トンクラスの大型取引のうち、9割以上が中国向けだ。

中国に大量のセンマイがもたらされている背景には、正規で合法的な輸入以外に、密輸を手掛けるグレーな産業チェーンの存在がある。この産業チェーンは3段階に分けられる。上流部分はまずロシア、ブラジル、ポーランドなどの国からセンマイを安く買い付け、船で香港に運ぶ段階だ。中流は香港から広東省の広州や東莞など本土の沿海都市への密輸だ。下流ではセンマイを内陸部の各都市に輸送する。センマイは中小の肉類加工工場や大小の飲食店、加工肉の小売店、屋台などに売られていく。


センマイの密輸入が横行する理由の一つは、正規の輸入では利益を出しにくいからだ。税関のデータによると、センマイを含む加熱処理した牛の内臓類の平均輸入価格は1キロ当たり140元(約2800円)程度だ。業界関係者によると「品質によってセンマイの価格はさまざまだ。また、商品供給が逼迫すると1キロ160元以上に(約3200円)になる。その結果、(センマイの取り引きは)コストが高く、利益が薄い」と説明した。一方で、裁判所が公表した資料によれば、密輸されたセンマイの価格は一般に1キロあたり24-32元(約470-630円)であり、正規輸入価格よりもかなり安価だ。

密輸事件は多くの場合、脱税問題に関連する。しかし食品の密輸はさらに大きな問題がある。食べた人の健康に被害を及ぼす可能性があることだ。密輸入された食品は出所が不明で、検疫などを受けていない。さらに、適切に取り扱われている保障はなく、変質しているリスクは高い。

食品の取り引きは本来、食べる人は「口福」を得て、業者は財を得ることができる「ウィンウィン」をもたらすものだ。しかし現実には、業者は自らが利益を得る一方で、顧客にリスクを負わせる状況が存在する。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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