中国企業のタイへの投資が過熱―独メディア

Record ASEAN    2023年7月31日(月) 10時0分

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27日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、外資企業が拠点を中国から東南アジアに移す流れの中で、中国企業の間でもタイに進出するトレンドが起こっていると報じた。写真はタイ。

2023年7月27日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、外資企業が拠点を中国から東南アジアに移す流れの中で、中国企業の間でもタイに進出するトレンドが起こっていると報じた。

記事は、2018年以降、米中間の地政学的対立や新型コロナの流行、関税の優遇政策、新興国市場の潜在力の大きさといった要素から、これまで中国にあった多くの外資企業が東南アジアへの投資にシフトし始めているとともに、中国企業の東南アジア移転も進んでおり、特にタイが最大のターゲットとなっていると紹介した。

そして、ここ数年の電気自動車(EV)産業の台頭に伴ってタイ政府がBYDなど多くの中国自動車メーカーの誘致を強化しており、中国からタイへの直接投資が増加傾向にあると説明。タイ在住の台湾人スタートアップ起業家・羅聿(ルオ・ユー)氏が「タイへの工場進出を希望する河北省や江蘇省の中国企業から多く連絡があり、数回の視察訪問の後、言葉や文化、法規への不慣れという問題がありながらも最終的にタイへの投資計画を断念したのは1社だけだった。早いところでは今月末にはタイでの登記に向けた準備を整える会社もある」と語ったことを伝えている。

その上で、台湾企業や多くの外資系企業にとって東南アジアの投資対象として好ましいのはベトナムだと認識される一方で、中国本土の企業経営者はベトナムに対して多くの懸念を抱いていると指摘。現地のインフラやサービスが整っていることに加え、地政学的リスク、中国排斥などの問題が発生しないかなどが中国企業にとっての重要な判断材料であり、これらの点においてタイがベトナムより優位性を持っているのだとした。

記事は、ルオ氏が「タイでの工場設立を決定した複数の中国人企業家は、調査のためベトナムにも訪れたが最終的にはやはりタイに決めた」と明かし、ベトナムのインフラがタイに比べて相対的に劣っていること、そしてタイ人がベトナム人よりも中国企業に対して友好的であることが大きな決め手になったようだと語ったことを紹介している。

また、成熟した低コストの労働力に依存する衣料品産業にとってタイは必ずしも最良の生産拠点ではないものの、国際的なデザイナーが多く、独特なタイシルク文化も持つという強みも持っていると紹介。広東省に衣料工場を構える台湾の実業家が「タイは生産拠点としてではなく、衣料産業の研究開発センターとして適している」と語ったことを併せて伝えた。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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