昨年3月に脱税が発覚した中国の俳優ダン・ルン（鄧倫）についてこのほど、巨額の返還を求める訴訟の話題が持ち上がり、「ダン・ルンへの強制執行」が中国版ツイッター・微博（ウェイボー）のトレンドランキングの1位に登場した。

中国の企業情報サイト「天眼査」が公開したデータから7日、明らかになったこの訴訟は、ダン・ルンおよび上海盤海文化伝媒有限公司を相手に、スマート家電メーカーの雲米電器科技（バイオミ・テクノロジー）が新たに提起したもの。同社の広告起用にまつわる違約金などの返還を求めたものと思われ、執行額は174万元（約3400万円）となっている。

人気俳優のダン・ルンに脱税の話題が持ち上がったのは、昨年3月中旬のことだった。国営新華社が当時、2019年から20年の間に個人所得の虚偽申告があり、個人で4765万元（約9億4000万円）、その他の所得税の未納分が1399万元（約2億8000万円）に上ったと報道。上海市税務局は「税收征收管理法」などに基づき、ダン・ルンに対し追徴課税と納税滞納金、さらに罰金を加えた計1億600元（約21億円）の支払い決定を下している。

ダン・ルンは21年、雲米電器科技のイメージキャラクターに起用されたが、脱税が報じられた当日、契約の打ち切りが発表されている。なお、今回の訴訟で被告となっている上海盤海文化伝媒有限公司について中国メディアでは、ダン・ルンの広告起用の仲介役になった企業と報じている。

昨年の脱税発覚後、封殺状態に追い込まれて芸能活動から離れているダン・ルンだが、まだまだ終わりを見せない一連の問題について、世間は依然として高い関心を示している。（Mathilda）