韓国でなぜ「こじきルーム」が流行するのか―中国メディア

Record Korea    2023年7月4日(火) 6時0分

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中国メディアの環球網は6月30日、「韓国でなぜ『こじきルーム』が流行するのか」と題する山東大学外国語学院の劉栄栄准教授の文章を掲載した。

中国メディアの環球網は6月30日、「韓国でなぜ『こじきルーム』が流行するのか」と題する山東大学外国語学院の劉栄栄(リウ・ロンロン)准教授の文章を掲載した。

文章は「最近、韓国で『こじきルーム』が話題になっている」と切り出し、メッセンジャーアプリ「カカオトーク」に数百存在するこのようなトークルームが20代、30代の間で人気を集めていると指摘。そこでは公開された消費に関する記録を他の参加者が評価したり、節約のコツをシェアしたりするなどのやり取りが交わされる。「タクシーに乗る、コーヒーを1杯買う、卵を2個食べる」といった行動は「ぜいたくだ」と批判を受けるといい、文章はこうした現象を「韓国の若者の自嘲であり、韓国経済の現状を映し出すものだ」と評した上で次の4点に言及した。

一つ目は「経済の低迷が若者に節約を強いていること」だ。文章は、「世界経済の低迷、米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げ、半導体輸出の急減などの影響で韓国の輸出は2022年10月から8カ月連続で前年同月比減、貿易収支は22年3月から15カ月連続で赤字だ」と述べ、「韓国は輸出主導型国家で、輸出額が国内総生産(GDP)に占める割合は40%に達する。輸出の不振は経済を低迷させ、韓国の中央銀行の今年のGDP成長率見通しはわずか1.4%だ」「経済苦痛指数においては15~29歳の若者が全年齢層の中で最も高く、『こじきルーム』は若者が支出を減らして経済不振に対応していることを示すものの一つだ」と論じた。

二つ目は「低い就業率が若者の収入を減らしていること」、三つ目は「物価の上昇が若者の購買力低下を招いていること」で、前者については「景気後退で企業の人員削減、給与カットが起き、若者の就業人数は減り、失業者数は増えている。雇用されてもアルバイトや臨時雇いが主で、収入減は避けがたい」、後者については「韓国の物価は19年と20年、1%以下の上昇率を維持したが、22年は5.1%上昇した。物価上昇に伴い、懐が寒い若者は綿密なやりくりを余儀なくされている」と説明した。

四つ目には「高金利による若者の債務激増」を挙げ、「新型コロナウイルスの流行期間、韓国の株式、不動産、暗号資産は値上がりし、不況や就職難に苦しむ若者の『借金して投資』ブームが起きた」などと指摘。「22年の29歳以下の負債増加率は41.2%と過去最高になった」「インフレ抑制、金融市場の安定のため、中央銀行は22年4月から7回連続で利上げを実施した」と述べ、「若者の収入は相対的に少なく、金利引き上げで増加した負債への対応は難しい。返済力のない人も多い」とした。

そして、「こじきルーム」のような極度の倹約を求める消費スタイルは韓国の若者の個性的な流行文化になっていると言及し、「そこには、不必要な支出を減らして個人の節約行動を共有し、仲間の支持と慰めを得て達成感と満足感を高めるという積極的な一面もあるが、消費願望が長期にわたって押さえつけられたら若者の感情的なストレスは次第に膨らみ、より多くの社会的問題を引き起こすだろう」と指摘。「消費の不足は韓国経済の発展も阻害する」との見方も示し、若者の就業、住居などの問題をめぐる韓国政府の取り組みを紹介した上で「韓国の若者の経済問題は体系的、構造的な問題であり、補助金を出せば完全に解決できるというものではない。社会的公平の実現、経済の活性化、質の高い雇用創出、教育体系の改善など全面的な改革が必要だ」と論じた。(翻訳・編集/野谷

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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