強行軍のような「特殊部隊型旅行」が中国で人気の背景は?

人民網日本語版    2023年4月13日(木) 21時30分

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1日に4万歩歩いて景勝地を10数カ所回り、夜は3時間しか眠らない……最近中国のネット上でこんな「特殊部隊型旅行」が話題を集めている。

1日に4万歩歩いて景勝地を10数カ所回り、夜は3時間しか眠らない……最近中国のネット上でこんな「特殊部隊型旅行」が話題を集めている。

学校や仕事が終わると、荷物を抱えて空港や駅に駆けつけ、2連休の初日の早朝や金曜日の夜に出発し、景勝地と話題のグルメスポットを10数カ所連続で訪れ、夜は3~4時間しか休憩せず、すぐに次の「行軍」を始める。移動でへとへとになりながら、週末か月曜日の高速鉄道でUターンして、また授業に出席したり出社したりする。

このようにスケジュールがきつく、訪れる景勝地が多く、お金がかからないことを特徴とするハードな旅行スタイルが「特殊部隊型旅行」と呼ばれている。若者は「靴の底がすり減っても、景勝地を全部回りたい」と言う。若者はなぜこの「昼夜兼行」の旅をしているのだろうか。

大学生にとって、「特殊部隊型旅行」を選ぶのは、時間的コストだけが原因でなく、経済的コストを考えるからでもある。 内モンゴル自治区の大学に通う大川さんは「特殊部隊型旅行」について、「大学生の大部分は生活費を削って旅行している。こういうスタイルなら限られた生活費でできる限り多くの景勝地を体験することができる。旅行の時間を圧縮できれば、コストの大きな部分を占める交通費と宿泊費を節約することができる。夜行列車を選べば、ホテル代を節約できるだけでなく、列車の料金も安くなる」と説明した。

時間とコストを節約するため、「特殊部隊」に最も人気がある旅行先は、景勝地が密集し、列車、高速鉄道、市内の公共交通が便利な都市であることが多い。 一部の24時間営業のレストランや公衆浴場にも数多くの「特殊部隊型旅行」をする人がやってくる。少し前にメディアが火鍋レストランの「海底撈」で仮眠を取ったり休憩したりしている客を取材したところ、そのほとんどが北京に旅行に来た若者だった。

北京第二外国語学院観光科学学院の李彬(リー・ビン)教授は、「理論的に言えば、旅行という行為の発生は動機に基づいて分析が可能だ。いわゆる『特殊部隊型旅行』は本質的には『貧乏旅行』のスタイルであり、特定の段階の、特定の層における新しいスタイルであり、新しい表現の形だ。動機を考えると、『時間的ゆとり』と『金銭面』での制約が大きい。こうした旅のスタイルはスロートラベル、スローなレジャー、ステイケーションなどのスタイルとは非常に対照的だが、実はどちらも最近生まれた新しい旅行の形態であり、現代の旅行者層の持続的な細分化と旅行ニーズの持続的な多様化・細分化を体現するものだ。旅行は細分化された各層のライフスタイルとますます融合して、『こんなふうに生活しているから、こんなふうに旅行する』というものになっている」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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