ラーメンに見る韓国の特異な食文化、日本とも“一味”違い経済状況も好みに影響

Record Korea    2023年4月9日(日) 17時40分

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中国メディアの界面新聞はこのほど、韓国の「ラーメン事情」を紹介する記事を発表した。ラーメンは韓国の国民食であり、日本とも違った特異性があると論じ、さらに経済状態と人々の好みが連動していると指摘した。以下は、同記事の主要部分だ。

ラーメンとその意味は日中韓でそれぞれ異なる

アニメーション映画で人気作を次々に世に送り、最近も「すずめの戸締まり」をヒットさせた新海誠監督は先ごろ、北京で仕事をした際に提供された豪華な海鮮料理の写真と、韓国の配給会社から送られてきたというカップめんの写真をツイッターに投稿した。カップ麺の写真には「こちらはこちらで美味しそうでいいなー」と書き添えた。

韓国では新海監督の投稿を「嫌韓」ではないかと疑問視する声が出た。一方で、「でもラーメンの方がおいしそうだよ」という声も多く寄せられた。

ラーメンという呼称の由来は中国語の「拉麺」だ。その意味で、日本のラーメンも韓国のラーメンも「先祖」は同じだ。しかし日本と韓国のラーメン文化は異なる。日本にも麺を乾燥させて商品化した即席めんはあるが、飲食店で供するラーメン類は生めんを使用して、新鮮な野菜などを調理した具材を乗せる。韓国でラーメンと言えば、全てを乾燥させた即席めんだ。韓国の料理店もラーメンを供するが、料理人は包装に入っている即席めんを使用する。

中国人にとって即席めんを食べることは、料理をしたくなかったり、経済面で困窮していることに結びついている場合が多い。しかし韓国ではそうでない。ラーメンは韓国の国民食だ。世界ラーメン協会の統計によると、韓国での1人当たり即席めん消費量は2013年から20年まで一貫して世界第1位だった。21年には1人当たり73食の即席めんが食べられた。

韓国人はラーメンに「奮闘精神」を見た、景気後退で激辛ブームの可能性

1986年にソウルで開催されたアジア競技大会では、女子中距離走のイム・チュネ選手が3種目で優勝した。イム選手は韓国の女子選手としてアジア競技大会で初めて優勝した。また、アジア競技大会の1大会で3個の金メダルを獲得した唯一の選手だ。

イム選手はその後、取材に対して「家が貧乏だったので、いつもラーメンを食べていた」「牛乳を飲める友人がうらやましかった」などと述べた。イム選手の父は早くに亡くなり、母が飲食店で懸命に働いて子を育てた。イム選手の父は生前に「申し訳ないが、わが家は裕福でない。ただし、他人に借りを作らないでほしい。自分の足で立ち上がってほしい」と言っていたという。

イム選手の言葉は、多くの韓国人を励ますことになった。ラーメンには1980年代の韓国人の奮闘精神が宿っているとみなされ、ラーメンは韓国人の民族感情を掻き立てる食べ物になった。

韓国のラーメンを食べた人は、その辛さに驚いたかもしれない。韓国紙「中欧日報」は、新型コロナウイルス感染症による景気後退で、韓国人が辛い食べ物を渇望するようになる可能性があると報じたことがある。「中欧日報」は、アジア通貨危機に見舞われた1998年に大手食品会社の農心(ノンシン)の代表的な辛口商品である「辛ラーメン」の売上高が前年比20%だったことや、欧州の金融危機が深刻化した2012年には、三養食品がさらに激辛なブルダック炒めめんを発売したことを論拠とした。

韓国社会において「共通」であって「共通でない」ラーメン

一般的に社会における階層により食べるものの違いが生じるが、韓国ではラーメンが階層を超えた食品だ。韓国の子どもたちは幼少期からラーメンを食べる機会があり、学校や塾で、さらに兵役の際にも大量にラーメンを食べる。社会人になっても、仕事を終えて夕食にラーメンを食べることが珍しくない。だからこそ、韓国ではラーメンが国民食になったと言えるわけだ。

ただし、同じラーメンを食べていても、具材の違いは歴然としている。裕福な家庭では、牛肉やロブスター、アワビ、カキ、ムール貝をラーメンと一緒に煮込んだりする。貧困な家庭では、具材にキムチともやしと青菜だけという場合もある。いずれも国民食であるラーメンだが、「同じラーメン」と言うわけにはいかない。(翻訳・編集/如月隼人


※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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