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「中国経済の日本化」を危惧する中国、取るべき処方箋は―中国メディア

Record China    2023年3月30日(木) 7時0分

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28日、中国メディアの観察者網は「中国経済の日本化」について考察する文章を公開した。画像は上海外灘

2023年3月28日、中国メディアの観察者網は、最近金融界や学者から上がっている「中国経済の日本化」論について、「専門家たちは中国の債務規模や不動産価格の上昇、経済や人口の構造が1980~90年代初頭のバブル経済直前の日本に似ていると思っている。中には、中国政府が不動産価格と債務を抑え込むよう手を出すべきだという人もいるが、そういう人たちは中国経済の病への理解が足りていない。日本のように失われた30年を迎えないよう、どのような処方箋を出すかにかかっている」として、現在の中国とバブル経済当時の日本を比較する文章を掲載した。

文章は初めに日本のバブル経済について、「不動産価格のバブルが最大の時こそ、日本経済が最も繁栄し、製造業と科学技術が頂点を極めた時期だった。困難を突破する技術力とイノベーションを起こすビジネスは安価な資金を頼みとする。そして全ての資金は信用を基礎とする。日本のような資源もあまり取れない国家が信用を得るには、株式市場と不動産市場を頼みとするしかない。当時の日本の不動産の高騰ぶりは、そのままバブルの大きさを意味する一方、抵当品の信用の高さや、貸借コストの低さを表している。安価な資金のサポートにより、当時の日本は世界規模の強大な競争力を備えていた。本来なら負債を抱えられる能力を持つ間に、発明や新製品の開発、起業など拡張戦略をとることができたはずだったのに、日本は空前のバブルの前にパニックとなり、政府は緊縮財政と高騰する不動産価格の抑え込みにかかった。結果、負債は増減もないまま持続し、資産の方が収縮するスパイラルに陥り、数十年にわたる『バランスシート不況』を招くことになった」と指摘した。

そして、「米国経済もバブル時代が無かったわけではない。だが米国は日本のように自分でバブルを破るようなことはせず、起業やイノベーションを推進し、日本のようなバランスシート不況に陥ることはなかった。日米の対比で明らかなように、取るべき処方箋は日本方式ではなく、米国方式だ」と論じた。

次に、当時の日本のバブル経済が継続する可能性について分析。「バブル経済が継続するには、一国の孤立した経済では不可能だが、世界的な競争環境下で、信用が高い経済と信用が低い経済のバブルが同時に膨らんだ場合、『グレシャムの法則』に従い、信用の低い経済のバブルが先に破綻し、信用の高い経済の国が低い国の資産を吸収し自らの債務を解消することが可能になる」「日本がもし、後の韓国のように資金を半導体やインターネット、通信などの新興産業へ持続的に投入していれば、他の国のバブルが先に破裂し、日本企業は他の国の資産を使って自国のバランスシートを修復できたかもしれない」などと論じた。

続いて文章は「中国が日本の失敗から学ぶべき教訓」として、「日本の犯した二つの間違い」を避けるべきだと述べた。一つ目は「自分たちから債務規模を抑えようとすべきではないこと」で、「日本の処方は完全に間違っていた。バブルは怖いものではない。いかにバブルを利用するかが重要で、バブルがもたらす資金を新しい産業へ正しく投資することだ。不動産のバブルを利用して、ここ最近産業のアップグレードを果たした合肥こそ典型的な例だ。われわれはなるべくバブルを維持するよう努め、2008年のように他国のバブルが破裂するのを待てば良い」と指摘した。

二つ目は「都市開発がほぼ完成した地域に、公共事業などの過剰なインフラ整備を重ねて行うべきではないこと」で、「ひとたび不景気になると、これまで日本も中国も大規模な公共事業による大工事を実施し、金融危機を乗り越える方法を取ってきた。バブル崩壊後の日本政府もその方法を取ったが、当時日本全国の都市開発は基本的にほぼ完了しており、余分な建築物や設備は巨額の投資を回収できるだけの有効な資産にならず、修理しなければならない高速道路や鉄道が増えたことで、逆に債務をさらに増やしただけだった。まさに効果の無い投資がまねいた二次災害だ」として、市場の需要に寄らない投資こそ間違いのもとであると論じた。

文章は最後に、野村証券研究所のチーフエコノミスト、リチャード・クー氏の著書「The holy grail of macroeconomics lessons from japan's great recession(マクロ経済学の聖杯:日本の大不況の教訓)」の一部を引用し、「自国の危機について無知な官僚や経済学者たちは、米国人が言うことを金科玉条のように奉じるばかりで、米国人がどう対処したかについては着目しない」「われわれが予想した通りに米国に金融危機が起こったとしても、最終的には米国経済が世界を席巻するだろう。現代経済の理解度について、米国はわれわれをはるかに上回っているからだ」と指摘した上で、「中国は確固たる通貨主権を有する数少ない国の一つだ。その理由は二つある。一つ目は中国の債務の抵当の大部分が不動産で、国債の大部分が人民元で取引される内国債であること。二つ目は資本市場を開放しておらず、米ドルのレート周期から独立しているため、外部資本の衝撃には日本よりも強いこと。われわれが日本から教訓を得ずに、日本人の二の舞を演じるならば、今日の日本こそ、われわれの明日の姿となるだろう」と論じた。(翻訳・編集/原邦之

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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