フライメディア 2023年3月4日(土) 17時0分
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大澳はランタオ島に位置する漁村だ。香港のベニスとも呼ばれており、村の中を縫うように走る水路沿いには棚屋と呼ばれる水上家屋が立ち並んでいる。
大澳(タイオー)はランタオ島に位置する漁村で、香港のベニスとも呼ばれている。村の中を縫うように走る水路沿いには棚屋と呼ばれる水上家屋が立ち並び、昔から変わらない生活を見ることができる人気スポットとして知られている。
この小さな漁村には車が走っていない。車の侵入は禁止されているのだ。唯一の車といえば、村の消防署にスタンバイしている消防車だろう。ただこの消防車も香港市街で見かけるそれとは違い、村の細い路地に適した小型でコンパクトな珍しい消防車だ。
また、タクシーもあることはあるが、乗用車としてのタクシーではなく、水路を走る水上タクシーだ。大澳では観光地と観光地を結ぶ水上タクシーを呼ぶことができる。
大澳は香港市民が休日に訪れる場所として人気のスポットだ。大澳ならではの光景といえる水上家屋や漁村の街並みを歩いて楽しむ。そして漁村ならではの海の幸を購入したり、水上ボートに乗って海へ出てピンクドルフィンを探したりと、多くの見どころと大自然や昔ながらの生活を垣間見ることができる場所となっている。
大澳で欠かせないアクティビティーがもう1つある。それは「ストリートフード」の食べ歩きだ。
大澳の細い路地の両脇には多くの出店が並んでいる。軒先から漂う香ばしい香りは訪れる人を魅了してやまない。匂いにつられて店をのぞいてみると、大澳ならではの魚の干物や揚げ物、魚肉や海の幸をふんだんに使ったフィッシュボールや蒸し物、大きなタコやイカを焼いたもの、ピーナッツやあんこを包んだ餅(茶菓子)など、すべてを食べることはできないほど多くの種類のストリートフードを見ることができる。観光客らは少し歩いては食べ、食べてはまた少し進みを繰り返し、そんな食べ歩きこそが大澳に来る一番の醍醐味だという人も多い。
大澳の食べ歩きで、とりわけ人気の商品がある。それは大澳ベーカリーという店の沙翁だ。沙翁とは昔ながらの香港式ドーナツといわれている品。揚げパンと言う人もいる。漁村の大澳と沙翁は何ら関係ないが、大澳といえば大澳ベーカリーと絶賛する人がいるほど人気となっている。
沙翁はこぶし大の揚げドーナツに砂糖をまぶしたもので、昔は香港でも売っている店が多かったが、最近ではなかなかお目にかかることができなくなった。そんな中で、この大澳ベーカリーは香港3大沙翁と名前が上がるほどの人気店だ。店の前にはいつも大行列ができており、祝日や連休など休みの日は長い時で数十分の待ち時間となっている。
人気の秘訣は、店頭で揚げて砂糖をまぶしたでき立ての沙翁を食べられることだろう。中はしっとりふわふわ、外は油でぱりっと揚げられており、熱々の状態のものはなんともいえないおいしさだ。ふわふわの生地に砂糖の甘さが際立つ沙翁は昔ながらのスナックの代表格だ。
この揚げたての沙翁を味わえるのはストリートフードの聖地ともいえる大澳だからこそ。優しい甘さの沙翁は日本人にもどこかなじみのある昔ながらのスナックを思い起させる味だ。(提供/フライメディア)
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