シンガポール目指す中国の超富裕層、格差縮小の「共同富裕」に懸念―海外メディア

Record China    2023年2月12日(日) 8時0分

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中国の超富裕層がシンガポール移住を目指している、と海外メディアが報道。「習近平国家主席が格差縮小を旗印に『共同富裕』という目標を掲げていることへの懸念がある」との見方を示した。 写真はシンガポール。

中国の超富裕層がシンガポール移住を目指している、とロイター通信が報じた。この中では厳格な「ゼロコロナ政策」には終止符が打たれたものの、「中国の富裕層の間では習近平国家主席が格差縮小を旗印に『共同富裕』という目標を掲げていることへの懸念があるからだ」との見方を示した。

ロイター通信によると、大学院生のザイン・ジャンさん(26)も移住を目指す一人だ。アジアの金融ハブであるシンガポールの大学で学んでいれば永住権の取得につながるのではないか、と期待している。

彼の妻は500万~700万シンガポールドル(約4億9600万~6億9400万円)もするペントハウスを物色している。昨年、この地で開かれたビジネスと慈善活動に関するフォーラムに参加したジャンさんは「シンガポールは素晴らしい。安定しているし、投資機会もたくさんある」と語った。

ジャンさん一家は今後の資産運用のため、いわゆる「ファミリーオフィス」をシンガポールに設けるかもしれないという。 シンガポールのシャングリラホテルで開催されたフォーラムでは、家族の資産運用や持続可能な投資といったテーマが議題となり、富裕層の人々が大勢参加した。多くはエルメスのベルトやグッチのショール、クリスチャンディオールの最新のバッグといったデザイナーブランドで装っていた。

2021年に香港の居住権を得たジャンさんがシンガポールに目を向けるようになったのは自国政府に対する幻滅も理由だ。ジャンさんは香港と中国本土を行き来する際の「ゼロコロナ政策」による隔離期間の長さに「だんだん我慢できなくなってきた」と言う。「香港での政治的な混乱にも失望した」とも話した。

ファミリーオフィス設立支援業務に携わる弁護士のチュン・ティンファイ氏によると、22年末には、シンガポールに2000万米ドル(約26億円)以上の資産を移したいという人たちからの問い合わせが週に1件はあった。月1件ペースだった21年よりも増えているが、今年1月になると、さらに週2件ペースへと加速した。

同氏によれば、多くは子どものための永住権取得を模索する親たちだ。超富裕層がシンガポールにひかれる理由の一つは、政府が主管するグローバル投資家プログラム。企業やファンド、ファミリーオフィスに少なくとも250万シンガポールドルを投資すれば永住権を申請できる仕組みだ。

シンガポールに二つあるグローバル投資家プログラム対象ファンドの一つを運営するフィリップ・プライベート・エクイティーでエグゼクティブディレクターを務めるグレース・タン氏は「年明け以来、投資希望者とのミーティングで忙しい」と話す。そのほとんどは中国人だという。 (編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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