日韓の寺10年の争い、仏像の行方は―仏メディア

Record Korea    2023年2月11日(土) 17時0分

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8日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、日韓両国の寺院の間で観音坐像の所有権を巡る争いが10年以上も続いていることを報じた。

2023年2月8日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、日韓両国の寺院の間で観音坐像の所有権を巡る争いが10年以上も続いていることを報じた。

記事は、日韓両国の間で10年余りにわたり紛争が繰り広げられていた観世音菩薩坐像に関する裁判で韓国の大田高等裁判所が1日、韓国の浮石寺(プソクサ)の所有権を認めた1審判決を取り消し、長崎県対馬市にある観音寺の所有権を認める判決を言い渡したと紹介。この坐像は2012年10月に韓国の窃盗団4人が観音寺などから盗み出し韓国に持ち帰った仏像の一つで、14世紀初めに制作されたものとみられており、高さ50.5センチ、重さ38.6キロで、1973年には長崎県の重要有形文化財に指定されていたと伝えた。

そして、窃盗団が坐像を韓国に持ち込む際に「日本の骨董店で購入した贋作」と説明、韓国の税関担当者が精密鑑定した結果「制作から100年以内の贋作」と判定していたこと、12年12月に韓国警察当局が窃盗団を逮捕した上で韓国政府がユネスコの条約に基づき坐像を日本に返還する意向を示したものの、浮石寺が13年1月に「観音像は倭寇が略奪して日本に持ち去ったもの」と主張して日本への返還を差し止める仮処分の申請を行い、16年には韓国政府を相手取って坐像の日本返還阻止を求める訴訟を大田地裁に起こしたことを紹介している。

さらに、17年1月の1審判決では「坐像から見つかった文書や高句麗の歴史に基づけば、倭寇が1330年以降5度にわたって襲来しており、当該の観音像を浮石寺から持ち出したと認定できる」として浮石寺の所有物であるとの判断が下され、日本側から抗議が起こり日韓関係のさらなる悪化を招いたと指摘。その後坐像を保管していた韓国政府は「坐像と浮石寺との関係について十分証明されていない」として上訴、それから約6年の時を経て今回の2審判決に至ったことを伝えた。

また、今回の判決では原告敗訴の理由について「当時の浮石寺と現在の浮石寺が同じ宗教団体であることが証明できない」「日本への不正な持ち出しがあったとしても、日韓両国における民法上の時効が成立している」と説明されたこと、判決に際して大田高裁が「民事訴訟はあくまで所有権の帰属を決定するものにすぎず、韓国政府は日本への返還にあたり国際規範を考慮すべきだ」と指摘したことを併せて紹介している。

記事は、浮石寺の関係者が今回の判決について「残念だ」と語り、弁護士も「判決は受け入れられない」として上訴する構えを見せているとした。一方で、観音寺側は「韓国の裁判所が初めてわれわれが観音像を所有する合理性を認めたことを喜ばしく思う」と語り、松野博一官房長官も今月1日の記者会見でこの件に触れ、速やかな返還に向けて韓国政府と協力を進める姿勢を示したと伝えつつ、浮石寺側が上訴すれば「この歴史と現実が絡み合った訴訟はさらに続くことになる」とした。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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