四川省の駅に「農民工おかえりなさい」の横断幕、ネット上で「差別的表現」と物議醸す―中国

Record China    2023年1月22日(日) 18時0分

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20日、紅星新聞は春節に合わせてに四川省の駅が「農民工おかえりなさい」と書かれた横断幕を掲げたところ、ネット上で批判を受けたことを報じた。写真は達州駅。

2023年1月20日、紅星新聞は春節に合わせてに四川省の駅が「農民工おかえりなさい」と書かれた横断幕を掲げたところ、ネット上で批判を受けたことを報じた。

記事は、中国のネット上で先日、四川省にある達州駅で「農民工おかえりなさい」と書かれた横断幕が掲げられたことについて「出稼ぎ労働者に対する差別ではないか」との批判が出たと紹介。これに対して現地の交通運輸局関係者が「横断幕は出稼ぎ労働者を大事にしていることを示すためのもので、悪い意味合いはない。さまざまな困難の中で帰省した苦労をねぎらうため」と説明したことを伝えた。

その上で、出稼ぎ労働者を意味する「農民工」という言葉はもともとポジティブ、ネガティブな色彩を含まない中性的な言葉として学術研究や政策文書の中で用いられているものの、個人の考えや感情が色濃く現れる市井において特に考えもなしにこの言葉を用いるのは「いささか温度不足だ」と指摘。「言葉自体には温度というものがあり、同じ意味でも言い方や表現が異なれば相手の心に芽生える印象や感情は異なり、それが往々にして誤解や不快感の根源となる。あえてわざわざ『農民工』という集団をピックアップして歓迎の意思を示すというのは意図的なものを感じざるを得ないし、当事者たちに『自分は何か特別扱いされている』といった疎外感を与えることになる」と論じた。

「農民工おかえりなさい」と書かれた横断幕

記事は、交通運輸局担当者の「出稼ぎ労働者を大切にする」という言葉が、現地では人口に占める出稼ぎ労働者の割合が高く、彼らに対するリスペクトを示したいという気持ちから出たものであるとして理解を示す一方で、「しかし、それをわざわざスローガンのように横断幕で掲げる必要はなく、もっと適切な意思表示の方法を講じるべきだ」と指摘し、小冊子やSNSなどを上手に利用して出稼ぎ労働者に対する行政のケアについてPRする方法などを提案した。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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