ベトナムが日本に高速鉄道建設への支援要請、日本メディアが大々的に報じない理由は…―中国メディア

Record China    2023年1月21日(土) 7時0分

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20日、環球時報は、ベトナムが日本に高速鉄道建設の支援を要請したと報じた。写真はハノイ。

2023年1月20日、中国メディアの環球時報は、ベトナムが日本に高速鉄道建設の支援を要請したと報じた。

記事は、ベトナムのファム・ミン・チン首相が13日に日本の鈴木俊一財務相と会談した際に、ベトナム南北高速鉄道建設の支援を要請したと紹介。同高速鉄道はハノイとホーチミンを結ぶ全長1559キロの路線で、時速は320〜350キロ、総工費は648億米ドル(約8兆3700億円)に達する見込みだと伝えた。

そして、ベトナム問題の専門家である海南熱帯海洋学院ASEAN研究院の古小松(グー・シアオソン)院長が「中国―ラオス鉄道の成功に触発され、ベトナムが自身の競争力強化を意識した可能性がある。また、2021年に開かれたベトナム共産党第13回全国代表大会では30年までに現代工業を持つ中〜高所得国に、45年までには高所得の先進国になる目標が打ち出されており、そのためにも高速鉄道などのインフラ建設が必要だ」と解説したことを紹介している。

一方で、支援を要請された日本の態度は曖昧であるとし、鈴木財務相は「ベトナムからの要請を検討し、実行可能な計画を出したい」と語ったものの、日本メディアはこの件について大方沈黙を保っていると指摘。ネット上では岸田政権による「バラマキ外交」を批判する声が強く、日本メディアは政府の取り組みをかき乱すことを避けるために大々的に報じないことを選択した可能性があるとの見方を示した。

また、ベトナムはもともと05年に高速道路建設計画を打ち出し、14年の着工、35年の全線開通を目指して06年に日本と支援に関する覚書を取り交わしたものの、10年にベトナム国会で審議された際に総工費がベトナムの年間GDPの半分程度にまでかさむことが発覚し、計画が否決された経緯を持つとも紹介。15年にも再び南北高速鉄道計画づくりを始め、19年に新たなプランを打ち出したものの「時速350キロの列車は投資コストが高すぎる上、旅客輸送専用では物流サービスの競争力を高められない」として国家評議審査委員会が招聘(しょうへい)した諮問グループの同意を得られなかったとした。

その上で、日本ではベトナム高速鉄道建設はアジアの高速鉄道市場の10分の1を占める規模とされ、大きなビジネスチャンスと見なされる一方で、沿線の土地価格上昇により鉄道建設コストが容易に支援できない水準にまで高騰すると見ており、建設支援は大きなリスクを伴うとの認識があることを伝えた。

記事は、古小松氏が「日本は長年新幹線を運営してきた実績こそあるが、技術や経験、資金面での支援、地理的な優位性といった点を総合的に考えれば、ベトナムにとって中国企業がより良い選択になる」とコメントしたことを紹介している。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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