アップルが抱える「中国の面倒」―独メディア

Record China    2022年12月14日(水) 8時0分

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独メディアのドイチェ・ヴェレ中国語版は12日、「アップルが抱える中国の面倒」との記事を掲載した。写真はフォックスコン鄭州工場。

独メディアのドイチェ・ヴェレ中国語版は12日、「アップルが抱える中国の面倒」との記事を掲載した。

記事は、「アップルのこれまでの成長は中国と無縁ではなく、2021年には中国が米国を抜き、iPhoneの最大の市場となった」としたほか、「中国はiPhoneの主要製造国でもあり、河南省鄭州にあるフォックスコン(富士康科技集団)はアップルのスマートフォン最大の生産拠点で、世界のiPhoneの70%を組み立てている」と紹介した。

一方で、「今年10月にフォックスコン工場で新型コロナの感染が拡大し、従業員が脱出して帰郷したため工場の稼働に影響が出た」と説明。「11月には新しく入社した従業員が待遇や防疫措置に不満を募らせたことで警官隊らと衝突、フォックスコン側は謝罪し、辞職を希望する従業員らの意思を尊重するとしたほか、補助金の支給も約束した」と伝えた。

その上で、「この騒動は中国のゼロコロナのジレンマを浮き彫りにした」と指摘。人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの中国プロジェクトリーダーを務める王亜秋(ワン・ヤーチウ)氏が「中国当局による厳しい情報統制が、コロナに感染したら大変なことになるという誤った印象を与え、多くの従業員の心中に恐怖の種を植え付けた」とし、「工場の目的は金もうけであり、経営陣は従業員の医療や飲食などの問題に関心を持っていない」と述べたことを伝えた。

記事は続いて、最近論争になったもう一つの出来事としてiPhoneの機能AirDrop(エアドロップ)の制限に言及。「エアドロップはインターネットに接続していない形で、写真やその他のデータを他のiPhoneに送ることができるが、11月初めのアップデート後、中国版iPhoneではデフォルトでオフに設定され、オンにしても1回の時間は最大で10分でその後は自動的にオフになるようになった」と説明した。

そして、「来年からiOSのアップデートに合わせて全世界で実施されるとの情報もあるが、偶然にもアップルがこのアップデートを行う1カ月前に北京で発生した抗議デモでは、多くのユーザーがエアドロップで抗議スローガンを広めようと試みていた」とした。また、アップルのこうした措置に不満を抱いた中国人留学生らがカリフォルニア州のアップル本社前で1週間のハンガーストライキを行ったことを紹介。ある学生が「アップルは中国政府がわれわれ国民をコントロールするのを助けている」と指摘したことを伝えた。

この件については、セキュリティー・監視研究機関IPVMのアナリスト、Charles Rollet氏が「アップルの売り上げの大部分は中国に依存している。中国指導部の意向に及んだ場合、アップルには選択の余地はない」とする一方、「中国工場はアップルにとって非常に重要だが、それは当然、彼ら自身が作り出した境遇だ」と述べたという。

記事は、こうした面倒によるリスク分散を意識しているためか、アップルが生産ラインを中国から撤退させるとの報道が出ていると説明。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが今月3日に、「アップルは一部の生産ラインの中国からの移転を加速する計画を立てており、サプライヤーに対しインドやベトナムなどでの組立をより積極的に検討するよう求めている」とし、サプライチェーン関係者の話として「鄭州工場での騒動により、アップルは事業を一つの国と結びつけることに、もはや安心できなくなった」と報じたことを伝えた。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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