中国企業が出資、ギリシャのピレウス港はどうなった?―独メディア

Record China    2022年11月1日(火) 13時0分

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30日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国企業が出資したギリシャのピレウス港が今や完全に中国の支配下に入ってしまっていると報じた。写真はピレウス港。

2022年10月30日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国企業が出資したギリシャのピレウス港が今や完全に中国の支配下に入ってしまっていると報じた。

記事は、ドイツのハンブルク港への中国国有企業・中遠集団による投資の是非が大きな論争を呼んでいることについて「ギリシャはなぜ論争になるのか分からない」とし、2011年以降債務危機に陥ったギリシャがほぼすべての重要な港、空港を外国企業に売却しており、16年には中遠集団がピレウス港の3分の2の株式を取得する契約を締結したことを紹介。しかも現時点において、ギリシャ政府はピレウス港の状況について非常に満足しており、キリアコス・ミツォタキス首相が昨年2月に開かれた中国・中東欧17カ国サミットで「中国によるピレウス港投資は両国にメリットがある」と語るとともに、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席もピレウス港への投資を「模範プロジェクト」と称し、19年には自ら視察に訪れたと伝えた。

そして、中国の投資によってピレウス港の設備は近代化を実現し、中遠集団にとって重要な中継港となったことで地中海最大、欧州でも7番目の規模を持つ港に成長しており、現地に多くの雇用をもたらしていると紹介した。

一方で、ピレウス大学で海事研究に携わるコスタス・クロモウディス教授は「港湾政策で資金とビジョンを持ち合わせていない場合に限り、中国からの投資は成功する」と語るとともに、一定の期限を設けた権限しか与えられず、なおかつ複数のライバル企業が1つのコンテナターミナルを共有するという他の欧州加盟国における私有企業による港湾への資本参加と、重要インフラの管理を第三国である中国に委ねてしまっているピレウス港の状況とでは全く異なるとの見解を示した。

また、中遠集団が保有するピレウス港の株式比率は当初の51%から67%にまで増加しており、今やピレウス港は中国の言いなり状態であると指摘。クロモウディス教授が「ピレウス港の中遠集団への売却方法は、悲劇的な過ちだった」と評し、「欧州委員会は、現在のドイツでの論争を契機として、第三国がやってきた時に欧州の利益を守るための、欧州共通のルールを設けるべきだ」と述べたことを紹介している。(翻訳・編集/川尻


※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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