2022年10月25日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、以前に中国で活動していた元米軍パイロットがオーストラリアで逮捕されたと報じた。

記事は、オーストラリア連邦警察が21日、ニューサウスウェールズ州で54歳のダガン氏を逮捕し、同日現地の法廷にオンラインで出廷したと紹介。警察関係者の話として、ダガン氏は保釈請求が却下され、同州にあるバサースト刑務所に収監されたと伝えた。

また、ダガン氏が元米国民であり、連邦警察は米国の要求に基づき、逮捕後60日以内に引き渡し請求を行う米豪引き渡し条約に沿った形でダガン氏を逮捕したようだと解説。米国当局による具体的な指示やダガン氏にかけられた嫌疑については明らかにされていないとした。

一方で、ダガン氏が逮捕された同じ週に、英国では元英国軍パイロット数十人に対して中国での活動を停止しなければ国の安全保障を理由に起訴すると警告し、オーストラリアでも同国の元パイロットらが中国での活動に招聘（しょうへい）された件について当局が調査しているとの報道が流れていたことを伝えている。

そして、ある航空業界関係者の話として、米連邦調査局がダガン氏の身柄引き渡しを求めている理由がかつて中国で活動していたことにあるとし、ダガン氏が米軍で10年間就役したのちオーストラリアに移住し、米英軍パイロットを雇って観光客を戦闘機に乗せるサービスを行う会社を作ったと紹介。14年には北京に移転し、その後会社を売却、17年には青島で中国の航空業に特化した総合航空コンサルティング企業の社長に就任、この企業は20年に解散したと伝えた。（翻訳・編集/川尻）