Record China 2022年10月24日(月) 8時0分
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中国メディアの環球時報は20日、「ドイツ企業が中国市場に期待するのは考えが甘すぎるのか」と問い掛ける、専門家の文章を掲載した。写真は北京の繁華街。
中国メディアの環球時報は20日、「ドイツ企業が中国市場に期待するのは考えが甘すぎるのか」と問い掛ける、王朔(ワン・シュオ)北京外国語大学国際関係学院教授の文章を掲載した。以下はその概要。
ドイツではこのところ、一部が「対中デカップリング論」を頻繁に唱え、連邦情報局(BND)長官は先ごろ、中国に対して「甘すぎる考え」を持たぬよう議員らに警告を発した。だが、両国の経済、貿易関係は日々緊密になり、ドイツ企業の対中投資熱は高まり続けているのが実情だ。8月発表のデータによると、今年上半期、ドイツの中国における投資は過去最高の約100億ユーロ(約1兆4700億円)に達した。自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は13日、24億ユーロ(約3500億円)を投じて中国企業と自動運転技術を共同開発すると発表している。
ここで禁じ得ないのが、対中認識において本当にドイツ企業は「考えが甘すぎるのか」という疑問だ。
結論から言うと、答えは「否」だ。まず、中国市場の重要性は軽視を許さない。中国共産党大会の記者会見では、「14億余りの人口、世界最大規模の中間所得層、市場の強み、完全な工業体系や産業チェーン、日々現代化するインフラ体系が各企業の発展に巨大なチャンスと広大な市場空間を提供した」との言及があった。これについて、ドイツ産業連盟(BDI)も近い見方をしている。すなわち、「予見できる将来において、中国は依然、成長の勢いを持つ市場、世界経済のエンジン、ドイツ工業の重要な調達・販売市場だ」という見方だ。
次に、経済安全保障への関心と互恵協力は矛盾しない。これまでドイツ経済はかなりの程度において、他国から安いエネルギーや原材料を輸入し、自動車や機械・電力設備を輸出して利益を得るモデルに依存してきた。感染拡大がもたらしたサプライチェーンの混乱や現在のエネルギー・原材料価格の高騰はドイツ製造業にとって大打撃となっている。また、ドイツは「中国と米国の戦略競争がエスカレートすればドイツ経済に災いが及ぶかもしれない」と懸念し、近年はサプライチェーンの安全確保を強調してきた。不確実性が増す国際情勢を前に経済安全保障を重視することは理解できるが、過度の焦りに陥ってはならない。経済、貿易協力は双方の現実的な求めであり、互恵、ウィンウィンを完全に実現できる。
そして、過度な政治化操作が正常な経済往来をさえぎることはできない。ドイツは特にメルケル首相の退任後、対中姿勢の転換がますます顕著になり、実務協力基調から中国をいわゆる体制上のライバルとしてより多く強調するようになった。背景にあるのは、中国の急速な台頭に対する不慣れな感情、緊張などの高まりだ。この他、欧州では政治のポピュリズム化が鮮明になっている。ドイツもこれを避けるのは難しく、外交が国内政治の影響をますます受けている。だが、ドイツ企業の対中投資を制限しようとする動きに経済界は強烈な反発を示した。「対中ビジネスの魅力を引き下げるこのような提案はドイツ企業に重大な影響を及ぼす」と考えられたのだ。(翻訳・編集/野谷)
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