Record China 2022年10月22日(土) 18時0分
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仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は18日、中国では水をめぐる問題が起きているとする仏紙ル・モンドの記事を紹介した。
記事によると、中国の水問題と食糧問題に詳しいオックスフォード大学のGenevieve Donnellon-May氏は「中国は深刻な水問題を抱えている」と指摘。「まずは量の問題で、中国は世界の水資源埋蔵量の6%しか有していない。また、その質と分布にも問題があり、中国北部を例にとると、人口は(中国)全体の25%、GDPは(中国)全体の27%を占めるが、水資源は(中国)全体のわずか4%しかない」とした。
May氏は「中国北部は地下水に非常に依存しており、工業用水の50%、灌漑用水の33%、生活用水の65%を地下水から得ている」とした上で、「こうした地下水の採取により帯水層の水位が全国的に著しく低下している。中国北部の帯水層は世界で最も過剰に開発されている場所の一つ。集約的な農業や灌漑により、ここ数十年で浅層の帯水層のほとんどが20メートル、場所によっては40メートルも縮小した」と述べた。
さらに、「中国の水資源は高度に汚染されている」とも指摘。「中国政府が2016年に行った研究では、地下水の80%が重金属やヒ素を含む物質に汚染されていることが明らかになっている」とし、「中国は水の重要性を認識しているだけではなく、長期的な政策を有している。それは水の代替供給やこれまでと異なる方法での供給、例えば、廃水を処理して再利用することにますます関心を示している」と説明した。
このほか、ル・モンドの別の記事は、中国の食糧問題にも言及。「記録的な高温と干ばつの夏を経験して、中国当局は長期的な食糧安全保障に懸念を抱いている」とし、今夏に貯水池が干上がり、何千万もの世帯が停電し、何千もの工場が操業を停止したほか、農作物の生育にも影響を及ぼしたことに触れ、匿名希望の中国専門家が「政府は国民に心配をかけないようにとあらゆる努力を行っているが、状況が非常に深刻なのは明らかだ」と語ったことを紹介した。
その上で、金融機関のフィッチが干ばつにより中国の2022年のコメ収穫量は10~20%落ち込む可能性があると予測したことを挙げ、「中国の食糧在庫は1年分の消費量に相当するため短期的にはリスクはないが、輸入を増やすことは間違いない。中国は今や世界最大の穀物のバイヤーであり、世界市場の25%を占めている」と指摘。中国は主に米国、ウクライナ、カナダなどから穀物を輸入しているが、米中対立やウクライナ戦争により中国は食糧在庫を増やすことや自給自足を再び議論するだろうとした。(翻訳・編集/北田)
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