シャインマスカットの値崩れは意外ではない、業界の流れ―中国メディア

Record China    2022年10月7日(金) 10時0分

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中国メディアの杭州網は5日、シャインマスカットが中国で値下がりしたのは意外ではないと報じた。

中国メディアの杭州網は5日、シャインマスカットが中国で値下がりしたのは意外ではないと報じた。

記事は、今月4日に中国のスーパーマーケット「世紀聯華」慶春店で会員向けイベントがあり、シャインマスカットが割引価格で販売されたことを紹介。同店の青果担当者が「効果は絶大でシャインマスカットの売り上げは前日の2倍になった」と語ったことを伝えた。

一方で、今回の割引価格は1斤(500グラム)当たり14元(約280円)だったが、3~4年前には1斤当たり200元(約4000円)を超えていたとし、「たった数年で価格が9割も急落するとは誰が予想できただろうか。シャインマスカットはどのようにして“神の座”から転落したのか」と疑問を提起した。

記事はシャインマスカットについて、「日本の果樹研究所が長年の研究により1990年代に開発に成功したもの」と説明。「日本では高級品とされており、地域によって晴王(はれおう)などのブランドがある。生産量が少なく、売れ行きも良いため、価格は高止まりしている」と伝えた。

その上で、「中国では2015年ごろに大量栽培が始まった」とし、ここ数年で作付面積が大幅に増加したことに言及。杭州市内の青果店の店主が「かつては1斤当たり150元以上で売っていた。近隣住民が買うことはあまりなく、主に贈答品として販売していた」とする一方、「価格が下がり始めたのは昨年から。だいたい60~80元で、ピーク時の半額くらいになった」と語ったことを紹介した。

シャインマスカットは今年も再び大きく値崩れした。記事はその原因について、業界関係者の「海外の優良品種が国産化されたことで、生産量が急速に増えたことによる」との見方を紹介した。さらに、シャインマスカットはすでに中国各地で生産されているため気候条件によって出荷時期も異なるが、今年は全土で高温の日が続いたために出荷時期が重なり一時的に供給が集中したこと、高温によって品質が低下したことも原因の一つだと説明した。

記事は、高級果物が中国に持ち込まれて大量生産されることで徐々に「庶民化」するケースは珍しくなく、「業界内の流れ」であるとし、過去にはニュージーランド産のブルーベリーやチュニジア産のチェリーやザクロなどが同様の道をたどったと指摘。関係者は「もちろん(金銭的)条件を備えた消費者は輸入された高級果物を買うだろうが、それと同じように(庶民も安価になった果物を)買うことができる」と語ったという。

記事はこのほか、生鮮食品のネット通販(EC)の競争が激化していることも背景にあると指摘。各プラットフォームが消費者を呼び込む戦略として高級果物を低価格で販売したり、農家に薄利多売のルートを提供したりしており、そうした現象が「高品質の商品を作ろう」という生産者の意欲を失わせているとも伝えた。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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