中国最大の淡水湖、「1世紀に一度の干ばつ」で水が69%減少、長江流域の重要なコメ産地

Record China    2022年9月3日(土) 6時0分

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中国最大の淡水湖である鄱陽湖とその所在地である長江流域は「1世紀に一度の干ばつ」に見舞われている。鄱陽湖周辺は中国の重要なコメの産地。湖の水は40日で69%も減少した。

7月以降、中国最大の淡水湖である鄱陽湖とその所在地である長江流域は「1世紀に一度の干ばつ」に見舞われている。鄱陽湖周辺は中国の重要なコメの産地。湖の水は40日で69%も減少。中国メディアは「これほど急激に干上がったのは見たことがない」との住民の声を伝えた。

中国網などによると、鄱陽湖は江西省北部に位置し、長江最大の川とつながる湖沼。湖の表面積は季節により146平方キロメートルから3210平方メートルまで変動し、長江の水流を調節する役目を果たす。干ばつで長江本流の水位の低下を受けて水が長江に持続的に流出し、湖の面積は8月26日現在も毎日20平方キロメートル以上のペースで縮小を続けている。

水利部のデータによると、7月以降の長江流域の降水量は例年同期比で4、5割少なく、1961年以降の同期では最少となっている。鄱陽湖は1951年の記録開始後で、最も早く渇水期と低渇水期を迎えた記録を更新した。

長江流域は4億5000万人余りの生活を支え、農業生産が全国の3分の1を占める。特に7~9月はコメなどの農作物が大量の水を必要とする季節だ。江西省洪水干ばつ対策指揮部弁公室の発表によると、26日現在の江西省の農作物被災面積は40万9000ヘクタールで、完全に収穫が得られなくなった面積は3万8000ヘクタールに上っている。

直接的な経済損失は32億9000万元(約658億円)。江西省農業農村庁が導き出した全省の4391万ムー(約293万ヘクタール)の耕地面積に基づき計算すると、現時点で江西省の農作物の14%弱が被災していることになるという。

農業部門は農家に対してコメを収穫・貯蔵するとともに、今後数週間は穀物の生育を強化する対策をとるよう呼び掛ける緊急の通達を出した。すでに干ばつで大きな被害を受けている地域ではサツマイモなどの晩秋の作物に切り替えるよう勧めている。

さらに長江は中国の内陸河川のうち水運が最も発達している。輸送規模と通行量が最大の可航河川で、貨物輸送量が世界の内陸河川のうち最大の「黄金の水路」でもある。旧暦の3月から8月は長江航路の黄金シーズンだ。今年の「雨期に渇水」により、長江主要航路の水位が例年より早めに持続的に低下し、水運コストが大幅に拡大した。

鄱陽湖航路で輸送される主な貨物は沙石と石炭。うち火力発電用の石炭の需要は渇水期も旺盛だ。鄱陽湖の水が減少し、現在は中間の水路しか残されていない。広い所は100メートル前後で、狭い所は数十メートルしかない。

江西省気象局の8月28日の発表によると、同省では雷雨が増えている。各地の気象部門はこの時期を利用し人工降雨作業を展開。今後は冷気が強まり、猛暑一段落になる見込みという。(編集/日向)



※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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