Record China 2022年8月23日(火) 0時0分
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中国中部では降水量が異常に少ない状態が続いている。水力発電が盛んな四川省でも発電量が減り、工業省である浙江や江蘇への電力供給にも影響が出ている。写真は重慶市内で撮影した河川の水位を示す標識。
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フランス政府系メディアのRFIは20日、中国で発生している大規模な干ばつにより長江上流の四川省における水力発電が落ち込み、影響は同省から電力供給を受けている浙江省や江蘇省の工業にも及んでいると報じた。
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四川省省都の成都市は、平年ならば豊富な電力に恵まれるはずだ。山間部の多い同省は発電の80%以上を水力発電に頼っているが、豊水期である夏は特に、電力に余裕があった。そのため、街は広告看板の光に満ちている状況だった。しかし現在は地方政府の命令により、街頭の広告は暗いままだ。屋外だけでなく、地下鉄駅の通路も「漆黒」の状態という。
長江の水位は、夏としてはかつてなかったほど低くなった。低水位は四川省より下流の湖北省武漢市などにも波及している。長江及び長江支流が流れる重慶市では、8月18日時点で河川66本が「水無し川」状態になった。江西省水利庁によると、同省北部に長江南岸に繋がる中国最大の鄱陽湖は同日までに、前年同期は2203平方キロだった水面面積が、約4分の1の737平方キロにまで縮小した。
中国では大河川が春から秋にかけて増水し、大きな洪水被害をもたらすことがしばしばあった。例えば1998年に発生した全国規模の洪水被害では、4150人が死亡した。被災者は夏だけで2億人を超えたとされる。大きな被害がしばしば発生している河川の一つが長江とその支流だが、今年は状況が「真逆」だ。
成都市民の一人は、今年は特に暑く、河川は「考えられない」状況になっていると話した。夏の増水あるいは洪水はよくあることで、昨年の場合には「水位が高すぎて危険」との理由で、川への立ち入りが禁止されたという。
四川省の工業の発展を支えてきた要因の一つが、豊富な水力発電だ。省として電力に余裕があるため、他省にも送電してきた。しかし四川省から電力供給を受けている工業省である浙江省や江蘇省でも、電力供給の制限が始まった。
RFIは中国経済の状況について、「ゼロコロナ」政策の影響を受けている上に、電力事情の悪化によりさらに「打撃」がもたらされたと論じた。(翻訳・編集/如月隼人)
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