「大きな溝」残るものの、国交正常化50周年に際して関係改善模索の動きも―日本・中国

Record China    2022年8月21日(日) 8時0分

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日本と中国には大きな溝があるものの、国交正常化50周年を機に、関係改善を模索する動きがある。写真は8月15日に千鳥ヶ淵戦没者墓苑を参拝した岸田文雄首相。内閣府 ホームページより。

フランス国営系メディアのRFIは19日付で、日本と中国には大きな溝があるものの、国交正常化50周年を機に、関係改善を模索する動きがあると紹介する記事を発表した。

日本の林芳正外相はメディアの取材に対して、日中の政府は両国の首脳会談の可能性について「特別に考慮」していると説明した。日本政府と中国政府は会談の詳細について、例えば対面方式にするかオンライン会談にするか、電話会談にするかなどを検討しており、秋にオンライン会談が実施される可能性が最も高いという。

もう一つの可能性は、日中双方の首脳が両国以外の地で会談することだ。インドネシアで11月に開催されるG20サミットを機会とすることなどが考えられる。日本の岸田首相と中国の習近平国家主席は2021年10月に電話会談をして以来、言葉を交わしていない。また日中の首脳が直接面会して会談したのは2019年12月23日が最後だ。日中韓サミット出席のため訪中した安倍晋三元首相が北京市内で中国の習近平国家主席と約45分間会談し、その後、約1時間10分に及ぶ食事会を行った。

現在のところ、日中間の最も「大きな溝」は台湾問題についての姿勢だ。米国ペロシ下院議長の訪台に猛反発した中国は、ペロシ議長が台湾を離れた翌日の8月4日から7日まで、台湾本島を包囲する形に設定した多数の海空域で大規模な軍事演習を行った。

外務省の森健良事務次官は4日夜に記者会見を開き、北京が台湾周辺海域で軍事演習を実施してミサイル5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下したことを受け、孔鉉佑駐日中国大使に電話で抗議を伝え、軍事演習の即時中止を求めたと説明した。

林外相も翌5日に中国の行為を非難し、さらに「このような時こそ意思疎通が不可欠だ。双方の努力によって建設的で安定した日中関係を構築する必要がある」と述べた。

なお、中国側は日中間で「関連海域の境界は未確定である」として、「日本のEEZという言い方は存在しない」と、同問題についての日本の主張を否定している。

17日には日本の国家安全保障局の秋葉剛男局長が天津市内で中国の楊潔チ国務委員(「チ」は竹かんむりに「褫」のつくり)と7時間にわたる会談を行った。国務委員とは中国政府内に複数設けられるポストで、副首相の下で一般閣僚よりも上の立場だ。楊氏の担当は外交で、外交部部長(外相)よりも立場が上であり、中国政府内で外交を専門とする関係者の中で地位が最も高い。

双方は日中両国が対話を継続することで一致したが、台湾海峡問題では合意に達しなかったとされる。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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