大学生の間で子供の頃の遊びが人気を集めているワケは?―中国

人民網日本語版    2022年8月21日(日) 17時0分

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子供たちにとっては、ちょっと時代遅れのような中国の遊びが今、「小学生にとっては幼稚すぎるが、大学生にはピッタリな遊び」として、大学生の間で人気を集めている。

「お手玉の中当て」や「鷹と雛の追いかけっこ」(1人が鷹役になり、もう1人が親鳥に、残りの人が雛役になって、親鳥に守られながら鷹から逃げる遊び)といった、子供たちにとっては、ちょっと時代遅れのような中国の遊びが今、「小学生にとっては幼稚すぎるが、大学生にはピッタリな遊び」として、大学生の間で人気を集めている。北京青年報が伝えた。

■フライングディスクグルチャに投稿された「新しい楽しみ方」の仲間募集が始まり

5月初め、北京では突然の新型コロナウイルス感染拡大に見舞われ、各大学は封鎖管理を実施した。

中国人民大学の楊凡(ヤン・ファン)さんは、「校内にあるジムも閉鎖されてしまった。学校が封鎖されてからの数日間、校内には退屈で、どんよりとした暗いムードが漂っていた。それでも、そんな日々は長くは続かず、みんな『新しい楽しみ方』をすぐに見つけた」と振り返る。

一番最初に、子供の頃の遊びをしようという書き込みがあったのは、同大学のフライングディスクグループチャット内で、遊びたいと申し込む学生が次々申し込みリストに名を連ね、遊びに必要な人数が集まったので、すぐに遊びが始まった。そして、5月上旬から中旬になると、こうした子供の頃の遊びが校内で流行し始めたという。楊さんは、「ある時、鷹と雛の追いかけっこをしている時、私は『親鳥』のすぐ後ろにくっついている『雛』だった。最後は1人だけ残った『雛』の私が、ひたすら『鷲』に追い回されることになってしまい、スリル満点だったけど、とても楽しかった」と話す。同じ頃、趙雨さんも先輩に誘われて、「お手玉投げにハンカチ落とし、ついでに悩みも投げ飛ばそう」という名のグループに参加した。

それから約1カ月ほどの間、同大学の運動場や空き地には、子供の頃の遊びを楽しむ学生の姿でいっぱいになった。そして、食事や散歩の途中に通りかかった学生も、盛り上がりを見せる雰囲気に引き寄せられて、その仲間に加わり、参加する人がどんどん増えていったという。

楊さんは、「一番多い時で、1回のゲームに約30人が参加し、たくさんの教員や学生が観戦していた。一番盛り上がるのは夕方で、みんな夜の9時や10時まで遊んでいた」と振り返る。

また、「キャンパス内を歩いていて、『あれ?この人どこかで見たことがあるな』と思ったら、昨日私を、『捕まえた人』だったということもあった。一緒に遊んだことがある人と目が合ったら、あいさつするようにもなった」と楊さん。遊ぶ仲間はいずれもその場で集まった人たちなので、それ以前は互いに知らなかった人がほとんどなのだという。

それでも、うまく遊べなかったり、その場が白けてしまうようなことはほとんど見られなかったという。なぜなら、どんな人でも遊びの中では自分の居場所を見つけることができるからだ。いわゆる「コミュ障」気味の人にとって、遊びの中では、誰も相手が誰なのかを気にしないので、気楽に遊ぶことができる。そして反対に「コミュ力が高い人」にとっては、これはまさに友達を作る絶好の機会だからだ。

■子供の頃の遊びはストレス解消に最適

時代遅れといってもおかしくないこれらの子供の頃の遊びが、今になってなぜ大学のキャンパスで流行したのだろうか?心理カウンセラーの邱波(チウ・ボー)氏は、「まず、寮に閉じこもってオンラインゲームするよりも、みんなで運動場にいって一緒に遊ぶ方が、大学生の心理的健康にも身体的健康にも益が多い」との見方を示す。

また、子供の頃の遊びをすると、快感を与えるドーパミンが分泌され、ベストなコンディションで勉強や仕事をすることができる。邱氏は「脳科学研究で、気分で学習能力が決まることが分かっている。楽しい気分の人はコンディションを整えやすい。よく遊ぶ子供ほど頭がいいというのは、道理にかなっている。遊びながら、指導力やコミュニケーション能力、問題を解決する能力、気持ちを整える能力を身につけることができる。これは好循環と言える」とした。

また、子供の頃の遊びには、ストレスを解消したり、癒しを得られる不思議な力がある。邱氏は、「子供の頃の遊びをよくすると、子供の頃のような楽しい思いを味わうことができる。遊びの中では、たとえ負けたとしても、とても楽しそうにしている人が多いことに気付くだろう。現実の生活のメカニズムと異なり、子供の頃の遊びをしている時には、ミスを批判したり、評価や責されたりすることはない。みんな自分は大目に見てもらえると感じ、仲間から認められ、受け入れられていると感じることができる。そのため、遊んでいる時間というのは、ストレスを解消できる時間でもあり、生活において受けた心の傷や、仕事や勉強において積み重なっている消極的な気分、心理的ストレスを全て忘れて、少しずつ自分を癒すことができる」と分析している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)




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