同日発表されたHW FreeBuds Pro 2も、多くの研究成果や技術が盛り込まれた製品だった。ファーウェイはイヤホンの開発に当たって、大量の三次元耳型モデルを作成して装着感の確認をしている。まず大量の3D仮想モデルを構築して、1日当たり1万回に相当するパラメータ分析を行う。さらに、実際に人を使っての装着安定試験を1製品当たり400時間繰り返すなどして、ミクロン単位の寸法最適化を図っている。
低音の迫力で知られる楽曲の一つに、ストラビンスキー作「火の鳥」組曲がある。不死身の魔王が登場する1曲では、冒頭で低周波成分を豊富に含む大太鼓が強打される。クラシック音楽ファンは「あの迫力は生演奏でないと…」などと言い合ってきたものだ。会場でHuawei FreeBuds Pro 2を視聴させてもらったところ、曲目リストにこの曲があったので試してみた。イヤホンである関係上、全身の体表面で低音振動を感じることはできないが、耳に飛び込んで来た音は驚いたことに、コンサート会場で聞ける音とほぼ同じに感じられた。
もう一つ重要なことは、音楽聴取時だけでなく、通話時にも大きく関係するノイズキャンセリング/リダクションシステムだ。FreeBuds Pro 2では、マイク3台と骨振動センサーを搭載しただけでなく、通話時に気になる風ノイズはイヤホン全体の形状を空気力学的に洗練されたものにすることで低減し、さらにはノイズ低減アルゴリズムを投入することで、従来型の製品よりもより効果的にノイズを低減することに成功したという。
音楽聴取時などのノイズキャンセリングでは、センサー用マイクを3台も搭載させたことが効果を発揮する。また、外界の騒音レベルを3段階に分類して認識することで、人の耳の特性にもより合致したノイズキャンセリングを実現した。FreeBuds Pro 2の場合、音楽などのボリュームを抑え気味にして聞いていても、例えば背後から誰かに声をかけられた場合に、気づかない場合があるほどだ。
若者を中心に、電車内などでヘッドフォンやイヤフォンを使って音楽を聴く人が増えたことで、「娯楽性難聴」という症状に悩む人が増加した。騒音がある中で音楽を鮮明に聴こうとして、音量を大きくしてしまうからだ。ノイズキャンセリングは「娯楽性難聴」の予防に有用との研究結果もある。FreeBuds Pro 2がノイズキャンセリング機能をさらに向上させたことは、利用者の「耳の健康」を守りやすくしたと言える。
なお、FreeBuds Pro 2では、音響関連の性能を引き上げるだけでなく、高品質な通信の確立にも力が注がれた。例えば990kbpsという転送速度を実現するBluetoothオーディオコーデック「LDAC」に対応したことも重要な特徴の一つだ。
東京都内で日本市場向け新商品の発表会
■「個別製品の評価」から「総合的な実力評価」の時代に
ファーウェイ・ジャパンは26日には、基本的に日本市場向けに新製品を発表したが、ファーウェイ本社は27日、中国内外市場向けに自社開発のOSの新バージョンであるハーモニーOS3のリリースをオンライン方式で発表した。その時点でHUAWEI WATCH GT 3ProやFreeBuds Pro 2を含む多くの製品がハーモニーOS3に対応していることを正式に明らかにした。
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