人民網日本語版 2022年7月10日(日) 15時30分
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北京在住の女性は見知らぬ人1000人に手紙を書こうと決心し、これまですでに500通を送ってきた。
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前回手紙を書いたのはいつのことだろうか?中にはこれまで1度も手紙を送ったことがないという人もいるかもしれない。ハンドルネーム「白大侠」さんは北京在住の女性で、今年3月から、見知らぬ人1000人に手紙を書こうと決心し、これまですでに500通を送ってきた。多くの若者にとって、「手書きの手紙を受け取ったのはこれが初めて」としている。その過程で、白さんはニュース・メディアを専攻している大学生が「電子情報時代における伝統的な手紙の意義に関する研究」のレポートを仕上げるのもサポートしたという。
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■「手紙を書いてほしい」と願う若者のほとんどにとっての初めての手紙
北京でインテリアデコレーターとして働く白さんは今年3月から現在まで、見知らぬ人500人に手書きの手紙を送っている。その送り先は、産後うつになった女性や中国大学統一入学試験(通称「高考」)を控えた女子高生、一人で誕生日を過ごすサラリーマンなどだ。
白さんは「今年3月、ソーシャルコマースプラットフォームの『小紅書』に、床に並べた手紙を写した写真をアップし、『ここしばらく、手紙を書いてばかりいる。寂しいからかもしれない。自分に書いたり、親友に書いたり、将来出会うかもしれない人に書いたりした。たくさん書いたけど、1通も出していない。ある日、床に並べてみたら、こんなにたくさんあることに気づいた』というコメントを寄せた」という。すると、思いがけないことに、アップしてからわずか1時間のうちに、20人以上から「私に手紙を書いてほしい」とコメント欄や個人的に連絡が来たという。
「それで、その人たちに手紙を書いてみることにした。ちょっとした喜びを誰かにシェアするのはそんなに大変なことでもないし」と話す白さんは、すぐに出かけて封筒や便箋を買い、手紙を書き始めたという。
あるネットユーザーは白さんに、「手書きの手紙を受け取ったことは一度もない。手紙をもらうというのはとても新鮮味がある」と話したという。白さんに「手紙を書いてほしい」と望むのは、ほとんどが若者で、約8割が16歳から23歳までの若者だという。そして、多くの人が手紙を受け取った後、すぐに返事の手紙を寄せ、白さんと文通をするようになった人もいる。手紙には、生活や勉強、仕事で感じていることをつづっているという。また、「手紙を受け取ると、1日中明るくなった気分がした」と感動の声を寄せる人もいた。
白さんはネットユーザーに手紙を書くほか、小紅書のアカウントの手紙に関する内容を更新し続けているため、「手紙を書いてほしい」と願うネットユーザーは増えるばかりだ。
白さんは、「手紙を通して言葉を伝えるというのは時間がかかるものの、誠実に感情を伝えることができる」と感じている。そのため、返信する相手を選ぶ時は、何かに心を痛めたり、将来について不安を感じたりしている人を優先している。「そのような人は友達がいないのかもしれないし、知っている人には弱みを見せたくないのかもしれない。彼らは誰かの応援を必要としている。手紙を通して励ましたり、アドバイスしたりしている」と白さん。
■情報化時代においても手書きの手紙は依然として意義あり
インスタントメッセージアプリやSNSが人気の今、手紙を書くことにはどんな意義があるのだろう?ニュース・メディアを専攻する韓さんは手紙に関する調査が宿題になったことがきっかけで、白さんと連絡を取り、意見を聞いた。
「インターネット上での交流と手書きの手紙にはどんな違いがあるか?」という質問に、白さんは「手書きの手紙を紙媒体の本」に例え、「手紙を書くというのは、みんなが読んでいる紙媒体の本と同じで、紙に書かれた字を読むことができ、触ることができる。それに、インクの香りを嗅ぐこともできる。その感覚は、スマホでは絶対に味わえない」と答えた。
白さんと交流を深めた後、韓さんは「電子情報時代における伝統的な手書きの手紙の意義に関する研究」というレポートを仕上げた。その中で韓さんは、「周りの人には恥ずかしくて言えないことで、例えそれが最も身近な人であっても言えないようなことも、知らない人相手なら話せる。それがペンフレンドの重要な役割と意義で、手書きの手紙の魅力だ。心に引っかかっていることを、手紙を通して、吐き出すことができる」としている。
韓さんは「考察とまとめ」の中で、「手紙は書く人にも、受け取る人にも癒しをもたらしてくれることが分かる。リズムの早い今の生活において、スピードを落とし、互いに心を開けるのは、とてもいいことだと思う。手紙にしかない社会的価値が今も存在している。例えば、心理カウンセリングに抵抗を抱く人でも、手紙を通して、ある程度の癒しを得ることができるだろう」との見方を示している。
韓さんは「レポートを仕上げた後、白さんに感謝の手紙を書いた。それは、私が書いた初めての手紙だった」と話した。
今後の計画について、白さんは「まず、手紙1000通を出すという計画を成し遂げたい。あるネットユーザーから、その後、ペンフレンドと集まってはどうかと提案されている。それはとてもいいアイデアだと思う。集まった人同士がまたペンフレンドになり、文通することができる。また、書いた手紙を整理して、厳選し、1冊の本にして、一人でも多くの人を励ますことができればとも考えている」と話した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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