Record China 2022年7月9日(土) 6時0分
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発展途上国で進められている債務軽減協議で、中国の姿がすっぽりと抜け落ちている、と海外メディアが報じた。中国はどのように再交渉するかなどをめぐっても目立たない姿勢を維持している。写真は天安門広場。
発展途上国で進められている多くの債務軽減協議で、中国の姿がすっぽりと抜け落ちている、とロイター通信が報じた。比較的規模が小さく、リスクの高い途上国に対する貸し付けで中国は圧倒的な債権国だが、どのように再交渉するかなどをめぐっても目立たない姿勢を維持している。
ロイター通信によると、現在、経済的に困窮する多くの国が債務軽減を求めており、中国により積極的な役割を果たすよう求める圧力が強まってきた。6月28日に公表された主要7カ国首脳会議(G7サミット)声明は、債権国による支援を促す中で中国を名指しした。
世界銀行によると、貧困国は今年、公的部門と民間部門の債権者に対して総額350億ドル(約4兆7250億円)の債務返済に直面している。総額の40%余りは中国への返済だ。専門家の話では、国際通貨基金(IMF)と世界銀行が前提とする債務軽減負担の公平な分担は、中国との衝突に向かう可能性があり、包括的な債務再編の見通しに疑念が生じるという。
ブルーベイ・アセット・マネジメントの新興国市場責任者は「中国による債務協議への関与はIMFあるいは各国政府の手の及ぶ問題ではない」と指摘。「中国を適切なタイミングで交渉の席に着かせることは、今後の債務再編で最大の試練となるかもしれない」と語った。
記事は「中国の貸し付けは大半が政府系機関や政策銀行によって実行され、往々にして不透明だ」とも言及。「全米経済研究所(NBER)の報告書によると、中国が1949年から2017 年にかけて152カ国に対して実行した5000件の融資および助成の半分は、IMFにも世界銀行にも報告されていない。中国は両機関に加盟しているにもかかわらずだ」と述べた。
ローディアム・グル-プのシニア・アナリスト、マシュー・ミンゲイ氏は「これらの中国の融資の一部では不透明さが繰り返し問題になっている」と指摘。「中国は商業融資の契約に他国よりも厳格な機密保持条項を盛り込んでいる」と付け加えた。
今後の債務軽減交渉の進展速度を見極める試金石となるのは、ザンビアの首都ルサカの国際空港を拡張する3億6000万ドル規模のプロジェクトとスリランカの首都コロンボにおける14億ドル規模の港湾開発事業。両プロジェクトには中国が関与している。
ザンビアは2年余り前、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)局面で初めて債務不履行を起こした国となり、現在170億ドルの対外債務について軽減を求めている。事情に詳しい関係者は「進展が遅い原因の一つは厄介な債務再編での中国の経験不足だ」と話した。スリランカの案件ではIMFが新たなプログラムを進める方針を固めたため、協議がより速く進行しているが、中国の対応は依然として不透明という。(編集/日向)
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