挟まれたら死ぬことも…高級食材カニの爪が最強だった 11-26 05:12
天皇杯決勝が示す「日本サッカーの大変化」(1)宇佐美貴史の不在と「神戸らしい」宮代大聖の決勝弾、ゴール裏の空席と「冬の風物詩」減少の関係 11-26 05:08
アニメの理想のカップルキャラランキング、中国ネットは1位を「永遠に不動」「期待通り」と祝福 11-26 05:05
“書店に住んでみる”店舗の真ん中で寝転んで…イスに座ってリラックスしながら夜通し読みふける 読書好きにはたまらないイベントに密着取材 11-26 05:05
過去史上最速で“王手”。日本代表の行方を決めた「とにかく、本当に大きかった」試合とは?【どこよりも早い森保一監督のW杯最終予選6戦総括】 11-26 05:02
「中国代表にはW杯に出てほしくない」日本国内で噴出した声に中国メディアが悲痛「ピッチ外での失点は頭痛の種だ」「日本のファンは望んでいない」 11-26 05:02
少年少女「相次ぐ見せしめ」の舞台裏…北朝鮮に秘密の思想統制法 11-26 04:47
日本では当たり前でも外国ではNG?知っておきたい海外のマナーまとめ 11-26 04:12
香港が金融犯罪の重要拠点に、米超党派議員が関係再検討を要請 11-26 03:37
【ガーデニング】育てて楽しいハーブ【アイ】の栽培方法と活用アイデア2選 11-26 03:07

中国のモビリティ革命、そのカギはスマホとの融合にあり?吉利汽車とシャオミの戦略とは

高野悠介    2022年7月16日(土) 10時0分

拡大

自動車業界は100年に1度の変革期といわれる。そのポイントは、「電動化」「自動化」「コネクテッド」だ。

自動車業界は100年に1度の変革期といわれる。そのポイントは、「電動化」「自動化」「コネクテッド」だ。中国は電動化のダッシュに成功し、次の自動化、コネクテッドの実現へ向けて、動きを活発化させている。

異業種との提携や、異業種からの進出が盛んだ。今回はスマホと車との融合を取り上げる。

■EV車生産…従来産業化

2021年の中国新車販売は2627万5000台、そのうちNEV(電気、燃料電池など新エネルギー車)は352万1000台だった。これは同年、日本の新車販売421万6000台の83%に相当する。2022年は日本市場全体を上回りそうだ。企業別生産台数は次の通り。

比亜迪BYD)59万4000台

テスラ上海48万4000台

上汽通用五菱45万6000台

上海汽車22万7000台

小鵬汽車9万8000台

蔚来汽車9万1000台

理想汽車9万500台

哪吒汽車6万9700台

上位には、国有、民営、外資の有力メーカーが並ぶ。小鵬汽車以下は、EV車生産のために設立された「造車新勢力」だ。さらに異業種から、恒大、ファーウェイシャオミなどが参入を進めている。中国のEV車生産は、すでに業界が構成され、従来産業になりつつある。そんな2022年6月上旬、ある自動車メーカーのスマホメーカー買収が伝えられた。

吉利汽車…スマホメーカー魅族を買収

その自動車メーカーは、吉利汽車(Geely)だ。1986年、李書福氏により設立。冷蔵庫部品からスタート、1994年にオートバイ、1997年に自動車に進出。中国初の民営自動車メーカーだ。その後、順調に発展し、2010年にはボルボを買収。2017年以降、中国ブランド車の販売量トップの座にある。

被買収企業は「魅族」だ。2003年設立、MP3プレーヤーのメーカーとして成功すると、2008年にスマホへ進出。2015年にはアリババが出資。2016年には200万台を売り上げ、国内シェア4.8%となり、シャオミと対峙した。しかし2019年には、アップル、ファーウェイ、シャオミ、Oppo、Vivoのトップ5に大きく引き離され、ランキングでは「その他」に入れられる。若者向けの瀟洒なデザインと低価格が魅力だったが、ハイエンド機に進出し、失敗して元に戻すなど迷走した。2022年1月の国内シェアは0.1%にまで低下していた。

■吉利の夢…ライバルはスペースX

吉利は国内メーカー首位ながら、比亜迪(BYD)に比べEV車では出遅れた。比亜迪は1995年、充電池メーカーとしてスタート、2003年、自動車生産に進出。電池出自を生かし、プラグインハイブリッドやEV車を中心に生産した。商用車やバスにも展開するなど、こちらも順調に発展した。2019年にはトヨタと提携。翌2020年、合弁会社「比亜迪豊田電動車科技有限公司」設立。2021年のEV車生産は中国1位、世界でもテスラに次ぐ2位だ。

吉利は、系列のボルボがEV車生産18万9000台で世界8位だ。しかし、比亜迪とは大差がある。追い上げに向け、吉利は壮大なプランを構想した。スマホと自動車のソフトウェア技術の「緊密互動」により、国境を超えたエコシステムの確立だ。そのカギはイーロン・マスク氏のスペースXへの追随だ。

吉利は2022年6月22日、西昌衛星発射センターから自主開発衛星「吉利未来出行星座」を打ち上げ、無事周回軌道に乗せた。2023年には独自高精度マップで全中国をカバーし、「天地一体化高精度時空情報システム」を打ち立てる。それには受け手側のデバイスが必要で、スマホ技術は最重要ピースだった。自社開発も試みたが、より安上りの買収に切り替えた。

■シャオミ…車はIOTのラストピース

スマホ大手のシャオミ(小米)は2013年9月のテレビから家電事業に参入した。その後2014年12月に空気清浄機、2015年7月に浄水器、2016年3月に炊飯器、同5月に照明器具、同6月に電子ジャー、同8月にお掃除ロボット、2017年6月にプロジェクター、同12月にオーブントースター、2018年6月に扇風機、同7月にエアコン、同12月に電気ストーブと洗濯機、2019年1月に電気圧力鍋、同3月にハンディ掃除機、同7月に電子レンジ、同10月に冷蔵庫と拡大し、新型肺炎前にすでに家庭を自社IOT家電で固めていた。

その一方、モビリティ関連の投資も進めていた。2014年に地図作成企業、2017年に自動車Webサイト、2019年にEV車の小鵬汽車、2020年に比亜迪系の半導体企業に投資した。また2015~2020年の間、小米が自動車分野で取得した特許は800件に及ぶ。

IOTスマート家電の自前エコシステムをモビリティまで拡大する。現在は「威馬汽車」というEV車ベンチャーをパートナーとして、実装に取り組んでいる。

■コネクテッドにアドバンテージ

吉利は、人工衛星を使った壮大なシステムのラストピースとしてスマホを、シャオミはIOTシステム、スマートホームのラストピースとして、車を見ていた。

スマホはコネクテッドの関連技術だ。もう1つのカギ、自動運転技術では、国家AIプロジェクトに選ばれた百度がノウハウの蓄積でトップだろう。百度は「集度汽車」という子会社を持ち、これには吉利も出資していたが、この6月に関係を解消した。吉利の自主開発の意志はここでも強固のようだ。一方シャオミには、この方面のニュースはあまり見られない。

一方日本では、ソニーとホンダが提携し、ソニーホンダモビリティ株式会社を年内に設立する。EV車の生産と新しいモビリティサービスを開発するという発表だが、周回遅れの気がしないでもない。中国勢に伍してやっていけるだろうか。

■筆者プロフィール:高野悠介

1956年生まれ、早稲田大学教育学部卒。ユニー株(現パンパシフィック)青島事務所長、上海事務所長を歴任、中国貿易の経験は四半世紀以上。現在は中国人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中国最新のB2Cビジネスと中国人家族について、ディ-プな情報を提供。著書:2001年「繊維王国上海」東京図書出版会、2004年「新・繊維王国青島」東京図書出版会、2007年「中国の人々の中で」新風舎、2014年「中国の一族の中で」Amazon Kindle。

※本コラムは筆者の個人的見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携