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アマゾンに出店した中国の業者が米国向けに販売する売上シェアが1年余り前から低落している。専門家も原因を特定できていないが、業者側のアマゾン敬遠が影響している可能性があるという。
米国メディアのニューヨーク・タイムズ(中国語電子版)は28日付で、米国の大手電子商取引(EC)プラットフォームのアマゾンで、過去1年間以上に渡り中国の出店業者が米国向けに販売する売上シェアが明らかに低下していると紹介する記事を掲載した。はっきりとした原因は分からないという。
EC調査会社のマーケットプレイス・パルスによると、中国の業者による販売額は2020年末にはアマゾンの売り上げの約48%を占めていたが、22年5月には約42%にまで低下した。米国本土の業者は売上シェアを上昇させている。米国だけでなく英国やドイツでも、現地業者による売り上げシェアが中国の業者を上回るようになったという。
アマゾンにおいて、過去には中国の業者の売り上げシェアが数年間に渡り上昇しつづけ、米国本土の業者と並ぶ程度にまで成長した。しかし過去1年には中国の業者の売り上げシェアが低落する逆転現象が発生した。記事によると、専門家も同現象の原因を特定できないでいる。また、一時的な現象なのか今後も続くかも、はっきりとは言えないという。
中国では新型コロナウイルス感染症への厳しい対策により、工場の操業停止などが発生している。中国国内の物流は混乱し、さらに国際物流も混乱して輸送費も大幅に上昇した。しかしマーケットプレイス・パルスの責任者は、中国の業者の売上高のアマゾンでのシェア低落に結びついたことは、「考えられない」と述べた。米国の業者も中国製商品を多く扱っており、販売に至るまでの状況は同等だからという。
記事は可能性として、米国人消費者が中国人業者を敬遠したのではなく、中国の業者がアマゾンを敬遠し始めたとの見方を紹介した。中国の業者に限らず、アマゾンを利用する際のコスト上昇や、複雑に絡み合う規則に落胆しており、全世界向けにアマゾン以外の販売ルートを見つけたがっている業者が存在するからという。
またアマゾンは21年、業者側が顧客レビューを操作しているとして、中国を拠点とする一部業者にペナルティーを科した。このことが、中国の業者のアマゾン離れにさらに結びついたと見方も出ている。
一方で、中国の業者の売り上げシェア低下は、消費者には特に影響をもたらしていないように見える。記事は、アマゾンで膨大な種類の商品が取り扱われていることで消費者が得られる利便性が「強調され過ぎているのではないか」とする疑問を示し、例えとして「一つのサイトにフードミキサー2万種が掲載されていても、(消費者にとっては)あまり役立たないかもしれない」と指摘した。(翻訳・編集/如月隼人)
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