人民網日本語版 2022年5月25日(水) 18時50分
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米国のバイデン大統領はこのほど、インド太平洋地域の新たな経済枠組み(IPEF)を始動し、計13カ国が最初の参加国になると発表した。資料写真。
米国のバイデン大統領はこのほど、インド太平洋地域の新たな経済枠組み(IPEF)を始動し、米国、韓国、日本、インド、オーストラリア、ニュージーランド、インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ベトナム、ブルネイの計13カ国が最初の参加国になると発表した。
報道で明らかになったところによると、IPEFの具体的なプランはまだ公表されておらず、柱として(1)公平で適応性の高い貿易(2)柔軟なサプライチェーン(3)インフラと二酸化炭素(CO2)排出削減(4)税制と反腐敗——の4項目が設定されているだけだ。
復旦大学国際問題研究院の趙明昊(ジャオ・ミンハオ)研究員は、「米国はインド太平洋経済をめぐって全体的な原則と目標を打ち出したが、さまざまな議題において、参加する国、交渉推進のスピードと戦略、実行する際の力の入れ具合はそれぞれ違ってくる」と述べた。
アナリストは、「IPEFは本質的には米国が中国に対して経済競争を展開するためのツールだが、この枠組みには『先天的な不足』が2点存在する」との見方を示し、次のように説明した。
第1に、この枠組みの下では、米国が他の参加国に対して市場を開放することはない。
米通商代表部(USTR)のサラ・ビアンキ次席代表が4月末にIPEFについて説明する際、この枠組みには「市場の相互開放の議題についての交渉は含まれない」と明言している。
これはつまり、IPEFに参加しても、自国の製品を米国市場によりスムーズに輸出できるようになるわけではないということだ。IPEFは米国以外の参加国にとって、利益の得られない「空手形」であることは間違いなく、参加への意欲を喚起することは難しい。
第2に、IPEFはバイデン政権が大統領令に署名する形式で推進されており、議会の承認を得る必要がない。こうした状況の下、バイデン大統領の任期が終われば、IPEFは「朝令暮改」のリスクに直面することになる。
これは前例のないことではない。トランプ前政権が「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定」からの離脱を表明し、その前任のオバマ政権が積み上げてきた努力を最後の最後で失敗に終わらせたケースがある。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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