小島康誉 2022年4月2日(土) 16時30分
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世界自然遺産ボゴダ峰(博格達・5445m)を機内から(撮影:筆者)
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コロナ禍で鬱陶しい日々が続く昨今、「一服の清涼剤」になればと、レコチャとのありがたい縁で、紹介してきたキジル千仏洞・スバシ故城・クズルガハ烽火台・交河故城・高昌故城・北庭故城は「世界文化遺産」。今回は新疆の「世界自然遺産」を紹介させていただく。
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2013年6月カンボジアのプノンペンで開催された第37回世界遺産委員会で「新疆天山」が世界自然遺産に登録された。構成資産は天山山脈の最高峰トムール(托木尓・別名ポベータ・7439m)、カラジュン・クエルデニン(喀拉峻・庫尓徳寧)保護区、バインブルグ(巴音布魯克)草原、ボゴダ峰(博格達・5445m)。
北京から約4時間、ウルムチ着陸15分ほど前から左手に見える特徴的な山容がボゴダ峰、中腹に有名な観光地天池がある。クチャからキジル千仏洞へ向かう途中を北東に回り進むとバインブルク草原がある。その北西のナラティ草原の更に西方がカラジュン・クエルデニン保護区だが、ウルムチから伊寧経由が一般的ルート。キジル千仏洞から西へ向かうとアクス、その北約100kmにトムール峰。このあたりの天山山脈はキルギスとの国境をなしている。
天山天池やバインブルク草原・ナラティ草原は筆者も友人らと数回行った。高山植物が咲き乱れ、稀な美しさ。皆さん大喜びされた。是非お訪ねください。なお「新疆天山」が世界自然遺産となった第37回世界遺産委員会で富士山や浅間神社など「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」が世界文化遺産に登録された。
世界文化遺産・世界自然遺産およびその複合遺産は有形の不動産を対象としており、同じユネスコの世界無形文化遺産や世界記憶遺産は別の制度。「中国新疆ウイグル自治区のムカム芸術」は音楽・文学・舞踊を一体化した芸術として2005年世界無形文化遺産に登録された。日本の「人形浄瑠璃文楽」「雅楽」「アイヌ古式舞踊」「歌舞伎」「和食」「和紙」「結城紬」なども世界無形文化遺産に登録されている
なお新疆の6つの世界文化遺産中、クズルガハ烽火台以外は仏教関連で、イスラム教を宗旨とするウイグル族が多い新疆で「妙」と思われようが、ウイグル族の新疆到達以前の遺跡だからである。筆者は仏教の僧侶であるが、新疆にも日本にもウイグル族の友人が多数いる。ちなみに筆者のウイグル名は「小鉄木尓」、新疆ウイグル自治区政府の鉄木尓・達瓦買提主席に「新疆をよく知り、弟のようだ。小鉄木尓と名乗れ」と言われたことに由来する。以来、名刺にも記している。漢・ウイグル・カザフ・モンゴル族…と宗教を越えて楽しく交流している。
■筆者プロフィール:小島康誉
浄土宗僧侶・佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表・新疆ウイグル自治区政府文化顧問。1982年から新疆を150回以上訪問し、多民族諸氏と各種国際協力を実施中の日中理解実践家。 ブログ「国献男子ほんわか日記」 <新疆は良いところ>小島康誉 挨拶―<新疆是个好地方> 書籍はこちら(amazon) 小島康誉氏コラム
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