2022年3月18日、韓国・中央日報は「次期韓国大統領の尹錫悦（ユン・ソクヨル）氏が、大統領府移転を本格的に進めている」と報じた。

記事によると、金恩慧（キム・ウンヘ）報道官は18日、汝矣島の「国民の力」事務所で記者会見を開き、大統領執務室の移転問題について、「春の花が散る前に国民の皆様に大統領府をお返しし、皆様が日常を回復する日に大統領府の美しい散歩道を歩けるようになることを願う」と語った。

金報道官はまた、「国民からのアクセスのしやすさ、国民に不便をかけず、最大限便宜を保てること、大統領の警護や保安、そして国民と疎通しながら秘書官と格差なく働ける空間という条件を考慮し、2カ所（光化門政府ソウル庁舎別館と龍山の国防部庁舎）が候補に上がった」と説明。「建物の空間や形態は、その中にいる人々の行動や意識構造を決定する。そのような意味で、位置や諸条件を考慮して候補を選定した」とし、国民との疎通を強化する方針から、「外交部庁舎であれ国防部庁舎であれ、記者室は大統領が執務する建物の中に置く予定」と話したという。

そして「大統領府移転の時期は就任以後になるのではないか」という質問には、「（現在の大統領府で執務する可能性は『ゼロ』と語った）当時から、今も考えはまったく変わっていない」とし、大統領府移転の趣旨については「韓国の歴史において絶対権力の象徴であった大統領府から脱し、その権力を国民に返すということ」と改めて強調した。

さらに移転の費用については、「1兆ウォン（約977億円）近くになるというのは多く見積もり過ぎ。国民の大切な税金を使うことなので真剣に検討しており、好き勝手に進めることはない」と語ったという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「大金を使ってまですること？毎日龍山付近の交通を規制するつもり？」「当選したからと言って、公約をすべて実行しなければならないわけではない」「国民は別に望んでいない」「返してくれなくてもいいよ」「ただ本人が移りたいだけでは？」「国民に返すのではなく、国民から逃げたいんだと思う。光化門広場にろうそくを持って集まられるのが怖いから」など、冷ややかな声が多く寄せられている。

一方では、「国民に歴史を返してくれてありがとうございます」「必ず国民に仕える大統領になってください。有能な人材を起用し、住みやすい国にしてほしい」などのコメントも見られた。（翻訳・編集/丸山）