中国人はロシアのウクライナ侵攻をどう見ている?「大翻訳運動」が展開される―独メディア

Record China    2022年3月15日(火) 8時20分

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14日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、世界の中華系コミュニティにおいてウクライナ問題に対する中国人の過激な言論を公開する「大翻訳運動」が起きていると報じた。

2022年3月14日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、世界の中華系コミュニティーにおいてウクライナ問題に対する中国人の過激な言論を公開する「大翻訳運動」が起きていると報じた。以下はその概要。

ロシアとウクライナによる戦争が激しさを増す中、英語のソーシャルメディアでは、中国語ができる人物が中国のSNS上に書き込まれる戦争支持、侵略支持の言論を英語に翻訳して公開し、世界の人々に中国人や中国メディアの立場、視点を知ってもらおうという動きが見られる。

オーストラリアに定住している楊(ヤン)さんもその一人だ。以前、ある微信(Wechat)内の新型コロナ関連コミュニティーをのぞいてみたところ、プーチン大統領を賛美するコメントや、侵略戦争により失われる生命を蔑視する書き込み、ロシア政府によるフェイクニュースでいっぱいになっていて衝撃を覚えたということで、これらのコミュニティーのチャット内容を中国語から英語に翻訳し、ツイッター上に「さらす」作業を始めた。

楊さんのツイート内容には中国で流れるフェイクニュースや、中国のネット上のセルフメディア、「時事評論家」の見解も含まれており、世界の政治学者、経済学者、メディア関係者を含む多くのユーザーから「いいね」が付けられ、リツイートが盛んに行われている。一方で、一部の中国系コミュニティーからは攻撃に対象とみなされているが、今のところ身の危険を感じるようなことはないという。

このような動きはネット上で「大翻訳運動」と称されているが、2月中旬に米国のSNS・レディットにあった最大規模の中国語コミュニティーで発生したのが最初と言われている。このコミュニティーは今月初めに「他人のプライバシーをさらしている」という理由で解散させられたが、メンバーたちはツイッターやテレグラム、ディスコード、フェイスブックインスタグラムなどの各SNSに分散して活動を行うようになったそうだ。

コミュニティーのメンバーは活動目的について「多くの国の人に、中国人は『親切で温和、善良』ではなく、傲慢(ごうまん)かつ尊大で国粋主義を支持し、残忍で非情な心の集合体であることを知ってもらいたい」と述べているとのこと。メンバーたちは自らの活動が大いに意義のあるものだと考えているが、翻訳の際に触れる性差別、人種差別的言論の羅列に心身を消耗する人もいるようだ。

また、北米の中華系コミュニティーには「大翻訳運動」に疑問を呈する声も出ている。「差別的で過激な言論は他の国や地域でも繰り広げられているのに、中国だけあげつらうのはおかしい」「外国人の中国人に対するイメージが大きく損なわれ、アジア人に対するヘイトを激化させる可能性もある」というのが主な理由だ。

しかし、活動のメンバーは「アジア人へのヘイトを助長する心配はない。中国人の評判よりもロシアや中国のメディアによるフェイクニュースが海外の中国人コミュニティーに与える影響の方が大きな問題」という認識を持っており、先出の楊さんも「問題を見つけたら隠すのではなく、明らかにすることが必要だ」と語った。(翻訳・編集/川尻

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